フォーブス ジャパン コミュニティプロデューサー


SNSなどにおけるシェアの本質とは「感情のおすそ分け」

──また、ユニクロを手がけるファーストリテイリング社が雑誌「ポパイ(POPEYE)」の前編集長を起用したように、企業がストーリーテリングを外部委託する例もあります。CAMPFIREやそのほか家入さんが手がけた事業の経営を通じて社長自らがストーリーを語る重要性はどこで感じられましたか。

よく「バズるにはどうしたら良いか」なんて、手法論ばかりが語られますが、SNSなどにおけるシェアの本質とは「感情のおすそ分け」です。たとえ雄弁でなくとも、真摯に想いを語る起業家の言葉に人は惹かれ、そこで受け取った感情を周囲におすそ分けすべく、シェアするのではないでしょうか。

BASE(誰でも簡単にネットショップができるプラットフォーム)代表の鶴岡くんは「自分のお母さんのために、お母さんでも使えるネットショップサービスを作ろう」とBASEを作りました。

BASEローンチから数カ月はとにかくその話を社内外問わず語りまくった方が良い、と僕はアドバイスをしました。

「無料で便利なショップサービスを作ったよ」だけではきっと誰もシェアしない。鶴岡くんの、「お母さんのためにサービスを作った」という物語込みで、BASEというサービスが拡散されていったのだと思います。

起業とは、社会という池に石を放り投げること

──ストーリーテリングをする上で、気をつけていることはなんですか。そして、それに対して外部からの反発する声もあった際は、どう対応されますか。また、社内から異論を唱える声があった場合はどう対応されていますか。

「本質は何か」を常に問い続けるという態度です。自分たちが目指す世界のために、これからやろうとしていることはどういったことなのか。それは果たして本当に自分たちがやるべきことなのか。その世界が実現した時、本当により良い世界になっているのか。口下手でも良い、真摯に語り続けることだと思います。

起業とは、社会という池に石を放り投げるということだと思います。石を放り込めば、大なり小なり波紋は起きます。波紋が大きければそれだけ批判や異論も生まれるでしょう。そんなとき、不安になったり、反論してしまったりすると思いますが、戦うべき敵を見誤ってはいけないと思います。

自分がまず第一に自分を信じずに、誰がついて来てくれるのでしょう。

社内から異論が出る場合には、とことん議論したら良いと思います。本質は大事にしながら、アップデートし続ければ良いのです。


文=井土愛梨沙

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