閉じる

PICK UP

Deniz Cam is a wealth reporter at Forbes Magazine, where her work includes billionaires’ philanthropy and influence in politics.

J.B.プリツカ(Photo by Scott Olson/Getty Images)

ハイアットホテルの創業者一族出身の民主党議員、J.B.プリツカは今回の米国中間選挙でイリノイ州知事の座を狙い、1億7150万ドル(約194億円)の自己資金をキャンペーンに投じた。投票の締め切りからわずか1時間で、プリツカはその金が無駄ではなかったことを知った。

彼は現職の共和党議員ブルース・ラウナーを破り、新たなイリノイ州知事に就任しようとしている。プリツカの資産額はフォーブスの推定で32億ドル(約3620億円)とされており、ドナルド・トランプ(資産31億ドル)を抜いて、米国で最も裕福な現職議員になる。

プリツカの資産の大半は、彼の叔父のジェイが1957年に設立し、現在は彼の父のドナルドが運営する、ハイアットホテルチェーンからもたらされている。しかし、彼は父の事業を継がず、1993年に大学を卒業後、兄弟とともにプライベートエクイティ企業「プリツカ・グループ」を立ち上げた。プリツカ・グループはイーロン・マスクのSpaceXにも出資を行っている。

プリツカが今回の選挙キャンペーンに注いだ1億7150万ドルという金額は、個人の選挙への出資額としては米国史上最大の額だ。

これまで米国の選挙で最大の自己出資額を記録していたのは、2010年のカリフォルニア州知事選に出馬し敗退した、ヒューレット・パッカードCEOで共和党員のメグ・ホイットマンだった。彼女は当時、1億4400万ドルを投じていた。

しかし、選挙に金がかかりすぎることが、民主主義を脅かしていると指摘する声もあがっている。

ニューヨーク大学法学部の主席弁護士、Ian Vandewalkerは「米国では莫大な資産を持つ人物、もしくはリッチな友人を持つ人物しか、選挙に出馬できない。これは、有権者の選択肢を狭めてしまうことにつながる。なぜなら、裕福な人々は貧しい人々とは異なる政治的ポリシーを持つ傾向があることが、立証されているからだ」と述べている。

「巨大な富を得た人々だけが、政治家になれるのだとしたら、全ての人々を幸せにする政府の実現は難しい」とVandewalkerは続けた。

編集=上田裕資

あなたにおすすめ

合わせて読みたい