ライフスタイル

2018.11.08 19:00

一流クリエイターの習慣から学ぶ「ひらめきが生まれる瞬間」とは?

これまでForbes JAPANに登場したクリエイターやアーティストに、仕事からプライベートなことまでを聞くアンケートを実施。毎週木曜日、その回答を順次紹介していく。

第1回:尊敬している人物は?
第2回:愛用している仕事道具は?

今回は、「クリエイティビティが高まる瞬間は?」という問いを投げかけた。ものづくりには、新しいアイデアを生み出すことが不可欠だ。日常的に読書やリサーチを繰り返して情報をインプットしているクリエイターたちはそれぞれ、クリエイティビティが刺激され、新しいアイデアが生まれる瞬間を持っている。

ここでは、クリエイターたちが「ひらめく瞬間」を紹介する。

「移動中」の回答が最多


Jaromir Chalabala / Shutterstock.com

今回実施したアンケートの中で最も回答が多かった、クリエイティビティが高まる瞬間は「移動中」。先日パリで個展を開催し、国内外からの注目が急激に高まっている現代アーティストの井田幸昌氏は「タクシーでの移動中」と答えた。タクシー内は運転手と自分自身だけの密室空間。外部からの情報は、窓から見える景色や走行音だけのため、物事をじっくり考えるには最適なのかもしれない。

また、メディアアーティストの市原えつこ氏は「移動中・旅行中はアイデアが浮かびやすい。そのためにわざわざ長距離移動したりしますし、出張は喜んで出向いています」と話す。以前別で取材をしたとあるゲームクリエイターも移動中で、しかも「飛行機の中が特に良い」と話していた。完全に情報が限定された静かな空間で、照明がぽつんとあたっていると一つのことに集中しやすく、アイデアも生まれやすいのだという。

さらに、シェフの松嶋啓介氏は「市場(いちば)を歩いているとき」と回答。フランスにおいて外国人最年少でミシュラン一つ星を獲得した実績を持ち、いまは日本とフランスでレストランを経営する松嶋氏は、食材探しで市場を歩いているときに新しい料理や調理法が思いつくという。

散歩をしているときにもアイデアが


(photo by gettyimages)

次に回答が多かったのは「散歩をしているとき」。明確な目的を持たず、ふらふらと歩いているときにひらめくことが多いようだ。

早稲田大学文化構想学部准教授で、「発酵」などをテーマにリサーチや情報発信を行うドミニク・チェン氏は「散歩道です」、今年Forbes JAPANが開催した「30 UNDER 30」に選出された写真家の吉田志穂氏は「散歩をしているときなど、無心で体を動かしているときに良いアイデアが浮かぶことが多い」と回答した。

ビジネスパーソンの中には、日頃ジムやランニングなど習慣的に体を動かす人も少なくないが、今回のテーマでは汗を流すほどの運動をしているときという回答を挙げる人はいなかった。心も体も落ち着いた状態で、ただし少し動いているときが五感が研ぎ澄まされてクリエイティビティが刺激されるのかもしれない。
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文=フォーブス ジャパン編集部

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