だが、今年の中間選挙は、これまでとは様子が違った。期日前投票を行った人は大幅に増加しており、投票率は最終的に、記録的な水準に達した可能性がある。
2014年の中間選挙で期日前投票を行ったのは約2000万人だったが、今回は投票日の前日までに、3500万人以上が投票を済ませている。ただ、2016年の大統領選では4600万人を超える有権者が期日前投票を行っており、それに比べれば今回もはるかに少ない数だ。
さらに、その他の先進国の大統領選と比べると、米国の投票率はかなり低いと言えることが分かる。米国の前回の大統領選挙では登録有権者の87%が投票した。だが、投票者数が選挙権年齢の人口に占める割合は、わずか55.7%だった。
一部の国は義務投票制を採用している。その一国であるベルギーでは、投票率は常に高く、2014年に行われた前回の国政選挙では87.2%となった。
米国の投票率はこの制度を導入していない国の多くと比べても低水準にとどまっている。例えば、調査会社ピュー・リサーチ・センターによれば、スウェーデンで2014年に行われた選挙では、選挙権年齢の人口の82.6%が投票を行った。また、昨年の韓国の選挙では、78%が投票している。
各国で行われた最近の国政選挙の投票率(選挙権年齢の人口に占める投票者の割合)は、以下のとおりだ。
・ ベルギー*(2014年)/87.2%
・ スウェーデン(2014年)/82.6%
・ 韓国(2017年)/77.9%
・ イスラエル(2015年)/76.1%
・ ニュージーランド(2017年)/75.7%
・ ドイツ(2017年)/69.1%
・ フランス(2017年)/67.9%
・ 英国(2017年)/63.2%
・ カナダ(2015年)/62.1%
・ スペイン(2016年)/61.2%
・ 米国(2016年)/55.7%
・ スイス*(2015年)/38.6%
*義務投票制を採用(スイスは1州のみ)
出典:ピュー・リサーチ・センター