調査企業「MediaRadar」の調べによると2018年の夏(6-8月)に、ネットフリックスは100の番組のプロモーションを279のウェブサイト及び、78のテレビネットワーク、25の出版物で行っていた。また、同社のユニークの広告件数は940件に達していた。
940件という数値は、競合のHuluが22番組に関して実施した225件の広告の約4倍に達している。また、HBO Nowの場合は広告において1つの番組の告知しか行っていない。
ネットフリックスが最も力を入れて告知を行っている番組としては、大人向けのブラックユーモア満載のアニメ「魔法が解けて(Disenchantment)」や、女子プロレスを題材とした「Glow」のシーズン2、オリジナルのコメディ映画「セットアップ: ウソつきは恋のはじまり」などがあげられる。
「ストリーミング企業らは独自の戦略でプロモーションを行っている。アマゾンプライムビデオは現在、『ジャック・ライアン』の新作の告知に注力している。HBO Nowは特定のコンテンツの告知よりも、アマゾンのファイヤースティックやクロームキャストとの親和性を打ち出している。また、スナップチャットを通じた告知も盛んに行われており、1カ月間の無料トライアルに呼び込もうとしている」とMediaRadarの担当者は述べた。
今夏の動画ストリーミング業者の広告出稿費用は全体で、昨年の同期と比較して46%の増加になったとMediaRadarは述べている。また、各社の夏の広告費用の総額は5500万ドル(約62億円)に達しており、ネットフリックスの出稿額が最大だった。昨年は冬のシーズンの出稿額が夏の2倍に達しており、今後はさらなる出稿額の伸びが期待される。
この分野にはフェイスブックの「Facebook Watch」やユーチューブの「YouTube Premium」などの新興勢力も参入を果たしており、さらなる広告出稿の増大が見込まれる。また、ディズニーやアップルらもストリーミング市場での覇権を狙っており、ケーブルTVに代わるポジションを獲得しようとしている。