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ロボットを活用したピザの調理・宅配サービスを展開する米スタートアップのZume(ズーム)社は、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類で、3億7500万ドル(約425億円)の出資を受けたことを明らかにした。出資元は明記されていないが、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)はソフトバンクだったと報道。同紙によると、出資額は最終的に7億5000万ドル(約850億円)に達し、同社の評価額は22億5000万ドル(約2550億円)となる見通しだ。

フォーブスが調査会社ピッチブックに依頼して実施した分析によると、この投資額は2013年以降に食品業界向けロボット事業に対し行われたベンチャーキャピタル(VC)融資の総計(3億1100万ドル)を上回っている。

ピッチブックのデータによれば、米国で昨年、食品ロボット業界に対し行われた融資の総額は1億2700万ドルで、前年からは5400万ドル増加したものの、2015年比では1100万ドルの減少となった。同業界に対する今年の融資の総額は、Zumeに対する出資が行われる前で5600万ドルだった。

米国のピザ市場規模は450億ドル(約5兆1000億円)に上っており、大手チェーンやスタートアップ各社は、焼き立てのピザを客の自宅へ素早く届けるための新技術を次々と投入している。ドミノ・ピザがテクノロジーを駆使して市場シェアを拡大した一方で、ピザ宅配アプリの「Slice(スライス)」はテクノロジーを通じて小規模ピザ店を団結させることでこれに対抗。ピザハットは最近、トヨタ自動車と提携し、移動しながらピザを焼くトラックの試作品を製造し発表した。

だが、Zumeに対する巨額出資の背景には、こうしたロボット企業の価値がピザに留まらないことがある。「きょうのピザはあしたのハンバーガーだ」。こう語るのは、米ピッツバーグに本社を置くロボット企業アクセラレーター/シードインベスター、イノベーション・ワークス(Innovation Works)のリッチ・ルナク社長兼最高経営責任者(CEO)だ。

「ピザを作るロボットというだけではなく、食品調理全体という幅広いものとして捉えられる。これは巨大な産業だ」。ルナクは例として、医療分野でのロボット活用を挙げる。医療関連企業は手術支援ロボット技術の開発を競い合ってきたが、もしこうした技術が膝の手術にも使用できれば、あらゆる整形外科手術に応用できる可能性がある。

Zumeへの出資は、これまでにもドアダッシュやウーバーイーツに加え、自動運転技術にも多数の投資を行ってきたソフトバンクにとって、フードデリバリー業界で起きている変化にいっそう深く食い込む道を開くものだ。もちろん、これによりユニコーン企業の仲間入りを果たすZumeにその価値があるかどうかはまだ分からない。

翻訳・編集=遠藤宗生

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