結納返しにもらった、万能なエレガントウォッチ

ジャガー・ルクルト レベルソ

WiLのパートナー、小松原さんは、シリコンバレー帰りらしく、ラフな格好で現れた。そして、そのカリフォルニアの太陽のごとく明るく、笑顔の絶えないキャラクターには、その服装がよく似合っていた。そんな小松原さんはどのような腕時計をチョイスしたのだろうか?


ソフトウェア大手、SAPの米シリコンバレー研究拠点SAP Labで働いていた小松原さんが帰国したのは昨年末。大企業とベンチャーを繋ぎ、イノベーションを加速させるWiLに、パートナーとして参加するためだ。

「一般的なパートナーと異なり、投資を主とするのではなく、ファンドに出資頂いている大企業の新規事業創出や組織風土変革、また海外の投資先であるベンチャー企業の日本進出のサポートなどがミッションです」
 
かつて日立製作所、SAPジャパンで営業職に就いていた小松原さんが、現在の仕事をするようになったきっかけは、やはりシリコンバレーにある。

「SAPジャパン在籍時にアメリカに行ったのですが、自分から“シリコンバレーに行かせて欲しい”と会社に言いました。シリコンバレーのことは誰も知らないので、ちゃんと人を送ってポジションをつくるべきだって。それで、なぜ小松原がシリコンバレーに行くべきなのかというプレゼンをして勝ち取ったんです」
 
そして、シリコンバレーで学んだもののひとつが「デザイン思考」である。

「営業の時は、否定的に見ていたんですが、とにかくやってみよう、とにかく作ってみようというスタイルは、人をポジティブにさせますね。ぼくは、デザイン思考は問題解決ではなくて、問題発見だと考えています。みんなすぐに自分のアイディアを話したがるんですが、その前に、本当に解くべき問題は何かを突き詰めて考えるべきではないかと思います」
 
さらに、シリコンバレーはライフスタイルまでも変えてしまったようだ。

「ぼくはその土地や働く人たちのスタイルに馴染みやすい性格なので、シリコンバレーに行ってからは、服装もTシャツ&デニムのスタイルになりました。それが現在も続いており、スーツを着ることはほとんどありません」
 
そんな小松原さんの腕には、ジャガー・ルクルトの角型定番ウォッチ「レベルソ」が巻かれている。10年ほど前に結納返しでいただいたもので、銀座にある高級専門店の時計売り場で働いていた奥さまが、小松原さんに似合う時計として見繕ったものだ。

「当初はスーツを着ていましたから、上品で高級感のあるレベルソはピッタリでしたが、Tシャツが中心の今のカジュアルな服装にもこの時計は馴染むので、いつも着けています」
 
長方形のケースを持つこのモデルは、アール・デコの影響を受けるなどとてもエレガントなデザインなのだが、本来はポロ用に作られたスポーツウォッチだ。実際に競技をするときは、ダイヤルが回転し、裏のスチール面が表になり時計を守る。小松原さんのそれには、奥さまと2人の名がエングレービングされている。



JAEGER-LECOULTRE / REVERSO CLASSIC MEDIUM SMALL SECOND

角型のケースが反転することで有名なタイムピース。この反転式ケースが考案されたのは1931年で、風防が衝撃などで破損するのを防ぐためだ。きっかけは、ポロ競技をプレイする将校からの要請。馬上で身体が接触することが多く、そんな状況でも壊れない腕時計が求められた。その出自から、いまでいうスポーツウォッチの部類に入るが、当時流行していたアールデコ様式を取り入れており、とてもエレガントな腕時計でもある。

ムーブメント : キャリバー822/2 手巻き
パワーリザーブ : 42時間
ケース素材 : ステンレススティール
ケース径 : 42.9×25.5mm
価格 : 660,000円
問い合わせ : ジャガー・ルクルト 0120-79-1833


小松原 威◎日立製作所、海外放浪を経て2008年SAPジャパンに入社。2015年よりシリコンバレーにあるSAP Labsに日本人として初めて赴任し、デザイン思考を駆使して日本企業の組織/企業風土変革・イノベーション創出を支援。2018年にWiLに参画。

text by Ryoji Fukutome | illustration by Adam Cruft | edit by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN ストーリーを探せ!」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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