当然、この高性能クロスオーバーは、GT-R50と同様のプラットフォームとパワートレーンを採用している。つまり、GT-R50のベースとなるGT-Rニスモのプラットフォームと3.8LツインターボV6を搭載する。
GT-Rニスモは600psを発生しているが、GT-R50クロスオーバーはGT-R50と同様に、なんと720psにパワーアップしている。そしてトルクは強烈な780Nm! ここまでのパワーを路面に伝達するのは、さらに強化された6速デュアル・クラッチのトランスミッションと、日産お約束のATTESA E-TS。これによって強烈な4WDが保たれている。
そして、日産アメリカと日産ヨーロッパのデザイン・スタジオのコラボによるデザインを、イタルデザイン社が開発、設計、製作するのもGT-R50と同様だ。ご存知のように同社は、トリノの街モンカリエーリを拠点とする、世界的に有名なスタイリングとエンジニアリングの会社。創立者は、1999年に「20世紀最高の自動車デザイナー賞」を受賞したデザイン界の巨匠、ジォルジェット・ジゥジァーロだ。
このクロスオーバー車も、GT-R50のアイコニックな「ゴールドの唇」を持ったグレー&ゴールドのツートンカラーのボディとなるようだ。スタイリングのポイントは、存在感たっぷりのパワー・ボンネットや、フロントの大きなエアダムと交差する横長のLEDヘッドライトだ。
でも、いったい高級・高性能なクロスオーバーを作ろうというアイディアは、どこから湧いたのか? それは、市場をよく見つめれば自ずと答えが出てくる。今や世界中で高級かつパワフルなSUVが市場を賑わせている。当然、日産とイタルデザインのベンチャーもそれを外すわけがない。
今回コラボを通じて日産が挑むのは、アルファロメオ「ステルヴィオ・クヮドリフォリオ」、ポルシェ「カイエン」、ランボルギーニ「ウルス」、マセラッティ「レヴァンテ」、ベントレー「ベンテイガ」、ロールスロイス「カリナン」、そして、来年ウェールズで生産開始が予想されるアストン「マーティン・ヴァレカイ」などがひしめくフィールドだ。