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2018.11.02

「受付を無人化」するスタートアップ企業、Envoyが50億円調達

Courtesy of Envoy


創業者はツイッター出身

Deliveriesを導入してから、社員が届け先を探して社内をウロウロすることがなくなったという。現在、Pandoraはオークランド本社とサンタモニカ、シカゴのオフィスでDeliveriesを採用している。

「1ヶ所で5つのメールルームと5つのフロンドデスクを管理することができる。誰がオフィス内にいるか簡単に把握でき、メールルームのスタッフは皆Envoyに感謝している」とPandoraで安全・危機管理担当マネジャーを務めるGary Backusは話す。

Gadeaのリストには、今後Envoyが取り組みたいオフィス向けプロダクトのアイデアが70以上記載されている。彼は、リストが100を超えたら外部のスタートアップにEnvoyを開放し、プロダクト開発に参加してもらいたいと考えている。

同社は既に様々な機能拡充を図っている。来訪者が写真を事前に登録したり、リンクトインなどのSNSと連携させられるほか、AV機器や炭酸水のリクエストも事前にできる。Gadeaは、Envoyを用いて会議室の管理やカードキー式ドアの解錠、オフィス内の室温管理などを行うことを目指している。

彼が温めているアイデアの1つが複数のテナント向けツールで、1つのオフィスビルが複数の入居企業向けにEnvoyを提供するというものだ。

「ラリーはツイッターで3年働いた経験を持つ。彼は、ツイッター創業者のジャック・ドーシーに似た完璧主義者で、いつも細部に渡って注意を払っている」とMenlo VenturesのMatt Murphyは話す。

アップルやフェイスブック、グーグルは自社の従業員を管理するソフトウェアを自前で開発しているが、SlackやSpotifyのような急成長企業からアクセンチュアやナイキのような大企業まで、大半の企業はEnvoyのような専門サービスを利用すると投資家らは見ている。Envoyの受付システムは口コミで支持を広げている。

Envoyにとって最大の課題は、今後の機能拡充だろう。それぞれの機能に競合が存在し、Envoyは他社の性能を上回り続ける必要がある。Yelpで社内インフラ担当バイスプレジデントを務めるTodd MinerはEnvoyの会議室予約ツールの導入を検討しているが、より良いツールがあれば簡単に切り替えられるという。

「セールスフォースを切り替えるのとは訳が違う。Envoyはそれほど深く我々のシステムに組み込まれていない」と彼は話す。

Gadeaは、ライバルが増えることを歓迎しているようだ。彼によると、遅くとも来年前半に新しいプロダクトを発表するという。「この記事を読んでいるEnvoyの社員向けに、年内に新製品がリリースできたらラリーがとても喜ぶだろうと付け加えておいてくれ。現状から変えるべき点はたくさんあり、私はワクワクしている」と彼は語った。

編集=上田裕資

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