「ESG企業」を投資ターゲットにする
Newdayはユーザーに代わって「ESG企業」を調査し、投資候補を絞り込んでいる。ESGとは、環境(environmental)、社会(social)、ガバナンス(governance)の観点から企業を評価し、特定の企業への投資による倫理的なインパクトを測るのに使われる基準だ。
Newdayは、動物福祉やジェンダーの平等、環境活動などのテーマで企業を選択している。最適なESG企業を選ぶ上で欠かせないのが、同社のチーフ・インベストメント・オフィサーであるCara Barrの経験だ。
Barrはブラックロックで投資戦略担当のディレクターを務め、最初のESG商品を組成した経験を持つ。多くのESG企業が利益率が高く、投資リスクが低く、中長期で平均を上回るパフォーマンスをあげていることがこれまでの研究で示されている。
Heskeは、若い世代に対して、嫌いなビジネスをボイコットするだけでなく、好きなビジネスを支援する機会を提供したいと考えている。大学生のユーザーは利用料が無料で、投資額100ドルまでなら無料で利用することができる。投資額が100ドルを超えると、年間1%の手数料が発生する。
Newdayの従業員数はまだ6人だが、Heskeによると全員が銀行やヘッジファンドなどでの勤務経験が豊富で、彼らの経験やスキルが金融業界を変革する上で非常に役に立っているという。共同創業者のAnthony Randazzoは元Sandboxのエンジニアで現在CTOを務めている。もう1人の共同創業者であるAlexander Meekはドイツ銀行出身で、現在は社長を務めている。
しかし、Newdayのポートフォリオに組み込まれている企業の中には、問題のある企業もいくつか含まれている。例えば、医薬品メーカーのメルクはこれまでに何度も不正行為により告訴されている。また、プロクター・アンド・ギャンブルはパーム油の生産で児童の労働で人権侵害を行ったとして非難されたり、動物実験が必要な製品の開発を続けている。
これらの企業は消費者からの圧力で姿勢を改めるかもしれないが、ミレニアル世代に推奨する銘柄としては不適格かもしれない。倫理的な企業に投資をしたい個人投資家は、自身の眼力で優れた新興企業を探したほうが良いのかもしれない。