ビジネス

2018.11.02 08:00

取締役以外の役職なし 「ティール組織」を運営するポイントとは?|新居佳英

アトラエ代表取締役 新居佳英


──近年の「働き方改革」により、熱量と働き方のバランスが問われるようになってきましたが、その点はいかがでしょうか?
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もちろん「10時以降は働いてはいけない」「土日は働いてはいけない」という最低限のルールは設けていますが、そこが本質ではないと思います。個人的には、近年話題になっている「ブラックワーカー」の定義が間違っていると思っていて、「長時間労働=ブラック」ではありません。むしろ「長時間労働×エンゲージメントが低い状態」をブラックと呼ぶべきです。

エンゲージメントが高くて長時間労働する人はビジネスリーダーです。例えばソフトバンクの孫正義さんやユニクロの柳井正さんもそう、もちろん私や役員の何人かもそうです。一日中自分たちのビジネスの事ばかり考えているでしょう。そういったエンゲージメントの高い状態の人たちは、好き好んで働いているわけですし、苦痛だとも思っていません。そんな人たちから仕事を取り上げてはダメです。プロのスポーツ選手に「8時間超えたのでこれ以上筋トレや練習は一切しないでください」なんて誰も言わないですよね。それと同じです。

だからと言って、「俺もやっているんだからみんなもハードに働け」というのは、またこれも違います。それぞれ価値観や異なる事情があって当然ですし、エンゲージメントが低いのに無理に長時間働かせられている状態は、是正勧告をすべきでしょう。
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つまり、昨今の「働き方改革」は、本来は労働時間だけではなく、エンゲージメントをチェックすべきだと思います。それを全て一律で「労働時間を短縮!」としてしまうと、日本からビジネスリーダーがいなくなってしまいます。

弊社には、時短勤務で働いているママ社員もいれば、寝る間も惜しんビジネスに没頭する若手もいます。いろんな勤務形態のメンバーがいますが、社員の気持ちとして、「勉強している」「楽しんでいる」という感覚の時は、会社としては止めようがありません。

本人の気が済むまで続けたらいいと思っているので、そういう環境作りだけはしっかりするようにしています。繰り返しになりますが、「意欲のある人々が、ストレスなく働ける会社をつくる」というコンセプトに即した労働環境をつくることが、我々のミッションだと思っています。働く時間だけでは判断しないようにしています。

連載 : 起業家たちの「頭の中」
過去記事はこちら>>

文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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