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フリーライター/エディター


日本版は10周年。次に狙うは「社会課題への貢献」

──これまでの10年を踏まえ、今後の活動の指針を教えてください。

2018年はフェイスブック日本語版のリリースから10年です。利用者は着実に増えてきたので、これからはこの規模を活用して、日本経済や社会課題の解決へ貢献していきたいと思っています。

例えば、日本は地方の過疎化や高齢化、自然災害など課題がたくさんあります。そうした課題をテクノロジーやコミュニティの力を使って、サポートしていきたい。



そのための第一歩として、2018年7月に神戸市とフェイスブック ジャパンで事業連携協定を結び「コミュニティの力、起動!」というプロジェクトを発足しました。地域の中小企業のビジネス支援セミナー「Facebook Marketing Boot Camp」の開催や、神戸市の市政情報発信や地域のコミュニティのサポートを行っています。

これまでも中小企業の支援は行っていたのですが、現地の人の話を聞くことで、より具体的に人々のニーズを満たせる。そのような経緯で神戸市と連携することにしました。

神戸以外にも各地方の高齢者や保護者、学生に向けて、安全なインスタグラムの利用法を伝えるセミナーや、女性の社会進出支援も行っています。これからSNSを始めてみたいシニアの人たちにとって、実名制のフェイスブックは相性が良いみたいです。

──ネットでは「フェイスブックの若者離れ」と言われることもありますが、シニアへの展開はそうした背景も踏まえているのでしょうか。

いえ、そんなことはありません。総務省の利用統計でも示されているように、フェイスブックを含めたSNS全般のコアユーザーは、20~30代の若者です。

同時に顔を出して実名でつながるフェイスブックは、限りなくリアルに近い形で人と関わることができます。人とのつながりは、あらゆる世代が求める本質的なニーズ。特定の世代をターゲティングせず、あらゆる世代をサポートするつもりです。

──長谷川さんが就任されてからの活動で、特に「人と人のつながり」を広げたと実感したケースはなんでしょうか。

たくさんありますが、具体例と挙げるとすれば、2018年3月に開催した「震災復興コミュニティサミット」ですね。これは日本全国で震災復興や防災に取り組んでいるグループをフェイスブック ジャパンの東京オフィスに招いて、交流するというものです。

参加いただいたのは、熊本地震からの復興をサポートしているグループ、避難命令によって町からほとんどの人が流出してしまった福島県浪江町のグループ、また阪神淡路大震災の記憶の風化を食い止めようとする神戸のグループ、新しい防災を提案する「防災ガール」といったグループです。

実際に開催して気づいたのですが、それぞれがオンライン、オフラインで精力的に活動しているにもかかわらず、意外とグループ間のつながりは希薄でした。



グループ同士での具体的な意見交換をファシリテートしつつ、メディアもご招待し、彼らの活動を拡散できたのは貴重な機会だったと思います。

コミュニティの力が、自然災害という避けられないリスクに立ち向かうパワーになっていく。つながりの力に強いインスピレーションを受けたイベントでした。

──ありがとうございます。ここで、SNSのネガティブな側面もお伺いします。近年はフェイクニュースへの懸念も強くなっていますが、対策などは行っているのでしょうか。

もちろんです。すでに投稿されたコンテンツが弊社のコミュニティ規定と呼ばれるポリシーに沿っているかどうかを検知するAIによるシステムを整備し、監視スタッフも増やしています。監視スタッフの人数は、昨年は全世界で6000人でしたが、今年中には2万人にまで増加します。

また、そもそもフェイクニュースのほとんどは拡散による利益を目的にしているので、フェイクニュースを拡散させないシステムを開発する予定です。フェイスニュースを発信する意味をなくしてしまうということですね。

日本のみならず世界中で、SNSはさらに利用されるはず。そんな中で、コンテンツの信頼性は最優先事項です。これからも皆さんが安心してつなることができる環境を提供していきます。

写真=小田駿一

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