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2018.10.31

LCCに迫る冬 ノルウェー・エアは生き残れるのか?

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プリメーラ・エアは、大西洋横断便で長距離分野の基盤を築こうとしていた。これにより同社は、ノルウェー・エアシャトルやWOWエアのような成功したLCCスタートアップに加え、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)のレベル(LEVEL)やエールフランスのジューン(Joon)、ルフトハンザ航空のユーロウィングス(Eurowings)など、老舗企業が立ち上げた新LCCとの直接的な競争を強いられた。

プリメーラは経営破綻の原因として、長距離旅客機の納品遅れ、資金調達問題、さらには航空機の腐食までを挙げたが、同社のサービスの悪さは有名だった。

こうした企業の運行停止は、今後も相次ぐ航空会社破綻の氷山の一角にすぎないのだろうか? コストやコンピューターシステム、乗組員や顧客の満足度で問題を抱えるライアンエアーのマイケル・オレアリー最高経営責任者(CEO)は、燃料費などのコストが上がるにつれ競合他社の一部が姿を消すことは必至だとし、「この再編により、ライアンエアーの最低運賃/最低コストのモデルにとっては成長の機会が生まれるだろう」としている。

オレアリーは「この冬、さらに多くの、より大規模な経営破綻が生じるはずだ」と述べた上、「当社が注目しているのは、スカンディナビア半島大手航空会社2社のうち一つだ。どちらかが、ほぼ確実にこの冬破綻するだろう」との見通しも示した。

では、どの企業が破綻するというのか? 報道によるとWOWエアは損失を出し、アイスランド航空との統合の可能性を思案中だ。格安長距離便モデルを持つノルウェー・エアシャトルは現在、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に乗り入れる最大の海外航空会社だが、利益性は高くない。旅行業界ニュースサイト「スキフト(Skift)」によると、ノルウェジアンの営業利益率は-8%の赤字で、航空会社74社中で下から2番目だ。

華やかなノルウェー・エアシャトルでさえもが、その生き残りの可能性を常に疑問視されてきた。最近の同社に関する報道では、「ノルウェー・エアは、かろうじて夏を生き残るだろう」「ノルウェー・エアCEO、身売りの可能性を探る」「捕食企業に囲まれるノルウェジアン、生き残りをかけた闘い」「ノルウェジアンはブレグジットを生き延びるのか?」といった見出しが並んでいる。
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編集=遠藤宗生

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