I write about science, technology and the cultural ripples of both.


さらに、もう一つ指摘できるのが、「重要なのはホラー映画の具体的な内容ではなく、映画を見たことに関連した記憶である」ということだ。

私たちの多くは、映画「エクソシスト」や「ハロウィン」を初めて見たのが何歳のときだったか、どこで誰と見たのかといったことを覚えている。そして、その怖い思い出には、いくらかの安心感が伴っている。

さらに、こうした代表的な作品と言われるホラー映画を見た経験は、後になって友人との会話における「話の種」にもなる。つまり、これらの映画は私たちに、不安の解消にも役立つ「社会的な絆」という利益をもたらすのだ。

「幸福感と達成感」も得られる

また、短期的な影響について言えば、少なくとも見たいと思う人にとっては、ホラー映画の視聴は気分を高揚させるものであることが分かっている。この説については、社会学者であるマーギー・カーの著書、「Scream: Chilling Adventures in the Science of Fear(悲鳴:恐怖の科学における恐ろしい冒険)」がよく知られている。

この説が導き出した(そして科学的に証明されたと考えられる)結論は、「ホラー映画を見ることは、ドーパミンからアドレナリンまでの幾つもの神経伝達物質とホルモンの大量の放出を促し、軽い幸福感をもたらす」ということだ。

また、カーによればこうした反応の一部は、「映画の制作者らが観客に投げつけた最悪の恐怖に耐え抜いた」という達成感によってもたらされるものでもある。目標を達成したときのように、何かを成し遂げたことは私たちの気分を明るくする。

ただし、これらのメリットは全て、怖い思いをしたい人たちだけに与えられるものだと考えられる。そうでない人たちにはすぐに、マイナスの影響が及ぶことになる。

編集=木内涼子

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