土曜の昼、本屋でブルゴーニュワインを学ぶ「マニアックな贅沢」#1

マルサネ村のワイン


由緒正しくコスパ良し? マルサネワインを堪能

この日はコート・ド・ニュイ北端の「マルサネ(MARSANNAY)」村のワインを解説。「マルサネワインはルイ14世やルイ16世の食卓に提供されていた、由緒ある産地です。プルミエ・クリュ(特級畑)もグラン・クリュ(第1級畑)も存在しないのですが、その分、比較的コスパがいいとも言えますね」

この日いただいたワインは以下の3本。早坂さんのコメントとともに紹介したい。



・MARSANNAY 2015 DOMAINE JOSEPH ROTY(マルサネ 2015 ドメーヌ・ジョセフ・ロティ=写真中)「古いドメーヌで、クラシックなスタイル。色は薄いけど、骨格のある味わいですね」

・MARSANNAY Les Longeroies 2015 DOMAINE COILLOT(マルサネ レ・ロンジュロワ ドメーヌ・コワイヨ=写真左)「完熟したブドウしか使わないと言っていて、凝縮感がすごい。マルサネでも力をつけている生産者です」

・MARSANNAY EN MONTCHENEVOY PHILIPPE CHARLOPIN PARIZOT (マルサネ アン・シュヌヴォワ フィリップ・シャルロパン・パリゾ=写真右)「『ブルゴーニュの神様』と呼ばれる醸造アンリ・ジャイエの弟子の一人が手がける、上品なワインです」

ワインが「開く」瞬間とは

ふとグラスを回し、一口。「これはもうちょっと開きそう」と早坂さんが呟いた。ワインが空気と触れ合って酸化することにより、「開く」のだという。ワインを別の容器に移し替える「デキャンタージュ」もこのために行うのだそう。ああ、私も「ワインが開いた瞬間」がわかるようになりたい!

なんとなく感じた味や香りに、的確な言葉があてがわれる。断片的に聞き覚えのある品種や地域などの単語が、体系的に繋がっていく。同じワインを味わった者同士、口々に感想を言い合う。これがワインを学ぶということか。なんとなく、読書の楽しみにも似ているような気がする。

早坂さんの話から、この日はこんな学びがあった。
1. マルサネ村には真面目な作り手が多い。
2. マルサネ村で意外と有名なのがロゼワイン。コート・ド・ニュイでAOCの赤、白、ロゼを名乗れる唯一の村である。
3. マルサネ村にはグラン・クリュ、プルミエ・クリュはないが、畑の名前が書いてあるワインをチェックせよ。

18回の講座を共にする参加者の方々とは、もはや、仲良くなれる気しかしない。最終回を迎える来夏には、きっとみんなでフランスへ旅立つことだろう。

次回はFIXIN村。ブドウの栽培方法や品種の違いについてご教示いただけるとのこと。早くも楽しみだ。

文=林 亜季

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