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──日本の街づくりは駅を起点になされていますが、人々が動かなくなっていくと街そのものも変わってきそうです。

そうですね。これまでの街づくりは、駅やビルなど、集団移動に最適化されたランドマークを中心に作られてきました。「移動や生活がしやすいから駅の近くに住む」「人が集まるからそこにオフィスを構える」といったように、人々の生活もビジネスもランドマークを中心に栄えてきました。

ところが、これからは「何かと便利だから駅の近くに住む」という発想ではなく、「あの人の近くに住みたい」「海辺に住みたい」「このお店があるあそこに住みたい」など、個人の願望が生活の拠点を選ぶ理由になってくる。つまり、生活の分散化が進んでいきます。

人々のライフスタイルが変わればニーズも変化しますから、生活の分散化が進めば、生活を支える様々なサービスも細分化されていくと思います。



──生活が細分化していくと、動くことはどう変わるのでしょうか。

これまでは「渋谷駅」や「東京駅」といったランドマーク同士、つまり「点と点」を結ぶために線が引かれてその上に街づくりがなされてきました。

生活の分散化が進むと、駅のような大きな点ではなく、「自宅」や「行きつけの店」のような小さい点が膨大に増え、それらを結ぶ線が増える。それらは次第に「面」となり、「移動のためのランドマーク」という概念はなくなります。すると、これまでは「最寄り駅から徒歩◯分」と最短ルートを考えていたものが、今自分がいる地点と目的地の最短距離を求めるようになる。

その視点で考えると、現状は平面で考えられている街が、もっと立体的に作られるようになったら面白いですね。自分のビルの13階から隣のビルの20階までを直接移動できる手段が生まれているかもしれない。また、離れた街や海外に行くときもわざわざ駅や空港まで出向く必要がなく、ビルやマンションの屋上が離発着所となりドローンを使って移動ができるかもしれません。

日本は土地が狭いので、三次元の街づくりを設計して、縦の空間もうまく活用していけるともっと面白くなると思います。物理的な制約が少なくなればクリエイティビティが発揮されやすいですし、イノベーションも起きやすくなりますから。


よしかね・ひろまさ◎1993年生まれ。慶應義塾大学理工学部管理工学科在学中に、Azitを設立。2015年3月、モビリティ・プラットフォーム『CREW』を企画・構想し、プロダクト・マネージャー兼UIデザイナーとして、同年10月にサービスをリリース。

構成=小野瀬わかな 写真=小田駿一

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