ビジネス

2018.10.31

誰もが見誤ったテスラの実力 最新決算でついに明らかに

(Photo by Chesnot/Getty Images)


テスラは、自分たちのやろうとしていることが理解できない人々からのいわれなき中傷を受けながらも、長期的な戦略を立てて成功裏に履行できることを示した。例えば、「中国に拠点を置かないのは間違っている」「テスラの生産コストは持続不可能で、そのうち事業は破綻するだろう」といったことが言われてきた。

しかし現在、生産台数の増加に伴いテスラの製造ラインは省力化が進んでおり、世界各国の需要の程度によっては、来年に生産機能の一部を中国へ移すことも検討する可能性がある。モデル3の1台あたりの利幅は約20%で、同一車格の標準を大きく上回っている。

マスクは頭がおかしいとする一部の見方をよそに、同社の成長や収益性に関する見通しは一夜にして説得力が高まっただけでなく、実現可能にも思えるようになった。彼のようにクレイジーなリーダーがもっと存在した方が、世界はより良くなるのかもしれない。

テスラの素晴らしいところは、これが自動車企業1社の話に留まらないことにある。もちろん、テスラの業績が悪くないことをしぶしぶ認めつつも、同社をひとつの自動車メーカーとしてしか見ない姿勢を固持する人々は今も一定数存在する。

だが実際には、バッテリーの価格は下落を続け、ソーラー発電設備の需要は高まり、自動車向けだけでなく住宅や蓄電施設向けのバッテリーの生産・販売量は増え続け、長年語られてきた環境問題の懸念を完全に正当化する証拠が明るみに出ている。

そしてあら不思議、テスラが事業を展開する業界は奇跡的にも、現在最も急成長する業界のひとつとなったというわけだ。テスラの“一夜の成功”の裏には長年の努力があったことが、突如として理解されたのだ。

言い換えれば、何かを「できるはずがない」と言う人は、それを実行している人の邪魔をすることをやめるべきなのだ。

編集=遠藤宗生

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