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2018.10.29

長者番付入りした女性富豪たち ジョブズの未亡人は映画製作に意欲

ローレン・パウエル・ジョブズ(Photo by Michael Cohen/Getty Images for The New York Times)

フォーブスが最も裕福な米国人400名をランクづけする「フォーブス400」の2018年版には、55名の女性富豪がランクインした。

女性富豪の大半は遺産相続によって富を手にした人々だが、11名は自身で起業して財を成した人だった。

アメリカで現在最も裕福な女性は、ウォルマート創業者のサム・ウォルトンの娘のアリス・ウォルトンで、資産449億ドル(約5兆円)で12位に入った。アリスはウォルマートの経営には関わっていないが、ウォルトン家の財団の役員会メンバーで、同財団は2017年に総額5億3600万ドルの資金を教育や環境関連のプロジェクトに提供していた。

アリスの資産額はウォルマートの株価の上昇により、昨年から60億ドル以上増えている。株価の上昇の一因は、米国でのEコマースの売上が直近の四半期で40%も上昇したことにある。彼女の義理の姉妹のクリスティ・ウォルトン(ウォルマート創業者の次男の寡婦)や、いとこのアン・ウォルトン・クロンケ、ナンシー・ウォルトン・ローリーらもランク入りを果たしている。

今年のフォーブス400では、スティーブ・ジョブズの未亡人のローレン・パウエル・ジョブズは資産額205億ドル(約2.3兆円)で、初めて上位20位に入った。ローレンがジョブズと知り合ったのは、彼女がスタンフォード・ビジネススクールで経営学を学んでいたときのことだ。

ゲストスピーカーとしてクラスに招かれたジョブズは、自分の持ち時間が始まるまで、教室の椅子に座って講義を見学していたが、その時隣に座っていたのがローレンだった。ジョブズは駐車場でローレンをデートに誘い、交際がスタート。1991年に2人は結婚した。

2011年のジョブズの死去後、遺産を相続した彼女は、自身が立ち上げた「Emerson Collective」を通じ、教育や移民に関わる活動を支援している。また、2017年にはメディア企業のAtlantic Magazineを買収し、「不都合な真実」で知られる映画監督、デイビス・グッゲンハイム監督を起用したドキュメンタリー映画の製作も進めている。

ローレンは2018年のサンダンス映画祭で賞を受賞したドキュメンタリー映画「The Price Of Free(旧題:Kailash)」のエグゼクティブプロデューサーも務めている。この映画は児童の人身売買をテーマとしたものだ。

本年度のフォーブス400にランク入りを果たした女性起業家としては、米国最大の建築資材卸売会社「ABCサプライ」を共同創業したダイアン・ヘンドリックス(資産68億ドル)や、ピザチェーン「リトル・シーザース・ピザ」共同創業者のマリアン・リッチ(資産40億ドル)、医療機器メーカー「エピック・システムズ」のCEOのジュディス・フォークナー(資産35億ドル)らがあげられる。

編集=上田裕資

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