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2018.10.28

NYブロードウェイで人気の「チケットアプリ」の新たな挑戦

Allen.G / Shutterstock.com

ニューヨークのブロードウェイをはじめ、世界各地の劇場のチケットが格安で入手できるアプリが「TodayTix」だ。2013年にニューヨークで始動したTodayTixは、今では世界450以上のシアターと提携を結び、ブルーマンなどの有名ショーのチケットも公演の直前に格安料金で入手できる。

そのTodayTixが、独自のライブイベントの運営に乗り出した。同社はこれまで460万人の顧客に対し、2億5000万ドル分のチケットを販売してきたが、そのデータを活かし独自のイベントを企画するのだという。

この取り組みは「TodayTix Presents」と呼ばれるもので、比較的小規模な会場で、ブロードウェイのスターたちが、観客の好みの楽曲を演奏する。ネットフリックスやHuluのオリジナル番組と類似したアイデアを、MTVの「アンプラグド」のような親しみに満ちた空間で実現するものだ。

TodayTix共同創業者のBrian Fentyは「MTVのアンプラグドはこれまで、素晴らしいショーを生み出してきた。小さな会場に、数十名から百名規模の観客が集まって一流のアーティストの演奏に耳をすます。自分たちがやりたいのも、そんなことなんだ」と話した。

同社は既にこのプログラムのテスト版を、9月にブルックリンのライブハウスNational Sawdusで行った。当日は俳優でミュージシャンのダレン・クリスや、ミュージカル俳優のマシュー・モリソン、トニー賞受賞経験もある女優のアリアナ・デボーズらがステージに立った。チケットは55ドルだった。

「チケットの価格は、20ドルから60ドルの範囲に抑える計画だ。親しみやすい空間を大事にし、劇場でおなじみの俳優たちが、意外な名曲を歌う内容を想定している。例えるならば、ヒュー・ジャックマンがアデルの曲を歌うようなものだ」とFentyは述べた。

ヒュー・ジャックマンのような超大物が起用されることは稀かもしれないが、TodayTixは5年の歴史を持ち、膨大な蓄積データがある。そのデータを活かし、一夜限りのイベントを運営していく。

「TodayTixは、客たちが特定の俳優のステージに、どの程度の対価を支払うかを把握している。アプリから入手した客の好みを反映させた、イベントを作っていく」とFentyは話す。
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編集=上田裕資

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