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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

ドライビング・シミュレーター「グランツーリスモ」のイメージ

日本で始まり、すぐにスペインに移り、その10日後にアメリカに上陸、そして最後は11月、モナコで世界一決定戦が開催される。サッカーのワールドカップではない。ゴルフの世界選手権でもない。それは、ゲームの世界選手権のカレンダーだ。

でもこれはただのゲームではない。8000万枚以上売れた世界一のドライビング・シミュレーター「グランツーリスモ選手権」の最新戦の話だ。この画期的な企画は、オンラインのeスポーツとモータースポーツを融合させ、今以上に、グランツのバーチャルとリアルの境界をボカそうとしている。

遡ること10年前、バーチャル世界のゲーマーをリアルワールドのレーサーに変身させてしまう「GTアカデミー」がスタートした。そして、本物のレーサーになった元ゲーマーは、本物のルマン24時間レースなどの表彰台に登るほどの活躍を見せている。

しかし、今回のグランツーリスモ選手権(以下「GT選手権」)は、その「GTアカデミー」をはるかに超えている。新GT選手権の一番すごいところは、FIA(世界のレースを運営する国際自動車連盟)がバーチャルである同選手権を本物のモータースポーツとして認定したことだ。ゲームの世界では初めての快挙だ。



FIAのジャン・トッド会長は、「バーチャルのレースを認定するのは、FIAにとって全く新しいことです。シミュレーターは、どのプロのドライバーにとって重要な練習ツールだし、グランツを通して、世界中のファンにモータースポーツの感動を伝えることができます。また、次世代レーサーの育成の視点でも、このGT選手権から生まれてくる新スターの活躍を見るのが楽しみです」と語る。

ドライビングゲームの王者が決まる

さて、昨年から始まったGT選手権は今、クライマックスを迎えている。同選手権「ネーションズ・カップ」では、アジア、ヨーロッパ、アメリカの3地域のトップドライバー30人ずつが激突して、それそれの地域チャンピオンが決まる。その直後、地域チャンピオンの3人が、ワールド・ファイナルに参戦し、世界一を決める。

10月の第1週に、東京で開催されたアジア選手権決勝でアジア王者が決まり、第3週末にマドリードで行われたヨーロッパ選手権決勝でチャンピオンが決まり、そして来週、ラスベガスのSEMA会場で開催される北米・南米を含むアメリカ選手権決勝のチャンピオンが決まる。

つまり、アジア王者の國分諒汰(こくぶんりょうた)選手、ヨーロッパ王者のミカイル・ヒザル選手、そしてアメリカで優勝する選手の3人が参戦する世界一決定戦「ワールド・ファイナル」が、来月モナコで開催される。

やはり、世界一のGT選手権のドライバーを決めるのには、かなり複雑なプロセスがある。ここでは説明しきれないが、簡単にいえば、選手たちは、富士スピードウエイ、ルマンのサルテ・サーキット、イギリスのブランズ・ハッチ、アメリカのラグナ・セカなどの代表的なサーキットのバーチャルで、一般車をベースにしたマシンから最速のルマン級のレースカーで戦う。


全戦に優勝したドイツ出身のヒザル選手

文=ピーター ライオン

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