携帯電話やパソコン、タブレットなど、スクリーン主導となる都市生活では、毎日1本でも木を見ることができれば幸運だ。まして大自然の中で本格的なマインドフルネスを体験する機会などなかなか持てない。自然セラピーは、願い事リストの一つとして考えるべきなのだろうか?
ヨガやアーユルベーダのコースを提供する非営利団体、クリパル・スクールズ(Kripalu Schools)のディレクター、マイカー・モルタリによるとそうではない。彼によると、自然セラピーの効果は無視できないほど強力なものだ。
米科学誌、環境科学と技術(Environmental Science & Technology)に掲載された複数の研究からは、外で運動をすれば気分や自尊心を改善でき、都市緑地の近くに住むことが心の健康につながることが分かっている。また医学誌、環境衛生と予防医学(Environmental Health and Preventive Medicine)に掲載された研究によると、森で時間を過ごせば免疫システムが良い刺激を受ける。
それでは、大都会に住みつつ自然セラピーの効果を得るにはどうすればよいのか? ここで考え方を変えてみよう。必要なのは、美しい大自然へと旅をすることではなく、ただ野外に出ることだ。公園や庭、1本の木でさえ、体験に目的意識を持ちさえすれば、あなたの生活に多くの自然セラピー効果をもたらしてくれる。ここでは、野外でマインドフルネスを実践する7つの方法を紹介する。
1. 噴水の近くで昼食を取る
普段デスクで昼食を取っているようであれば、その習慣を変えよう。モルタリは、職場の近くに噴水があれば立ち寄り、勤務日にちょっとした自然セラピーを楽しむことを勧めている。
「噴水には水の要素があり、瞑想(めいそう)をするのにとても強力な効果がある」とモルタリ。「噴水を小川や海のように考え、その近くに座って水の音を聞いてみよう。ゆっくりと息をして、水の音に5~10分意識を向ける。水は、人間の心を静める非常にパワフルな力を持っている」
2. 自然に魅了される
「自然の効果で健康を改善したい場合は、緑をちらっと見るだけでは十分ではない。集中力と生産性を高めるためには心の底から自然を観察し、そこに魅力を見出さなければならない」とモルタリ。
「きれいだからというだけで何かに注目するのではなく、その何かに魅了されなければならない。窓を通して、外にある木が風に揺られているのを見つめたり、海や湖の水の動きを見つめたりすることは目に心地良い。数分だけでもこうした注意を向ければ、強い健康回復効果がある」