ビジネス

2018.10.28

世界最大級のメンズファッション見本市で注目した、実力派の6ブランド

HEVO


RING JACKET
日本が世界に問う最上クオリティのスーツ

今回で4度目のピッティ出展となる「リングヂャケット」は、1954年大阪生まれのスーツファクトリーブランド。オーダーメイドのような着心地の既製服を目指し、クオリティの高さではイギリスやイタリアのサルトリアにも引けを取らないと評されており、ピッティ協会の厳しい審査もかなりのスピードで通ったという。

世界最大級の見本市であるピッティに出展することによって、海外の多くのバイヤーの目にも触れるようになり、イタリアをはじめとするヨーロッパやアメリカからのオーダーも年々増えているという。使用する生地は、基本的にすべて天然素材という品質への徹底したこだわりでも評価が高い。今シーズンはライトグレーにレモン色のチェック、ダークグレーにベリー色を差し色に使ったフルーツジャムカラーをテーマにコレクションを展開した。



SCIAMAT
ハンドメイドにこだわる新時代のテーラー

ナポリスタイルの柔らかさに現代的なエレガンスをミックスしたような独特のスタイルを持つ「シャマット」。2002年にイタリアのバーリ近郊にあるビトントという小さな街で元弁護士のヴァレンティノ・リッチ氏が妻と弟、そして幼馴染みと共に立ち上げたメンズテーラーブランドである。

洋服好きだった亡き祖父の仕立服を見て育ったというヴァレンティノ氏。自身も服好きが高じて作り手になってしまったという。ブランド名の「Sciamat」はペルシャ語で「チェックメイト」。ブランドを常に進化向上させていきたいという願いを込めてつけられた。歴史こそまだ浅いものの、イタリアの伝統である確かなテーラー技術で、裁断から縫製まで1点1点すべて手作業で行う、抜群の着心地で着る人の魅力を内側から引き出すようなコレクション作りには定評がある。



SERAPIAN
イタリアンクオリティを身上とする洗練バッグ

1923年にイタリア・ミラノで創業した老舗バッグブランドの「セラピアン」。高い技術に裏打ちされたその圧倒的な存在感で、世界中のエグゼクティブ層から支持され、特にオールレザーのビジネスバッグの愛用者が多い。創業者のステファノ・セラピアンの子息アルダヴァスト・セラピアン氏は、2代目社長として、老舗ブランドをクオリティとトレンド感を併せ持つ現代的なメゾンブランドへと成長させた。

バッグづくりの工程は、徹底した「Made in Italy」が貫かれており、ミラノの郊外バレーゼにある5000㎡にも及ぶ自社工場では100人以上の職人たちの手によって、日々名品と呼ぶにふさわしい製品が生み出されている。今シーズンは、リゾートをテーマに麻素材を使用したラグジュアリー感溢れるトートバッグなどのトラベルアイテムが注目を集めていた。



TAGLIATORE
時代をリードする新感覚のメンズウェア

独特な素材感とセクシーな曲線を描くウェストデザインのジャケットで知られるテーラードブランド「タリアトーレ」。オーナー兼クリエイティブディレクターのピーノ・レラリオ氏は、一族が営む「レラリオ」を兄弟と共に受け継ぎながら、20年前に自身のブランドを立ち上げた。ティム・バートン監督の映画『バットマン』でマイケル・キートンやジャック・ニコルソンが身に着けたことで脚光を浴びたタリアトーレ。

今シーズンのピッティでは、「ジーロ イングレーゼ」というザックリとした編み地による清涼感溢れるジャケットを発表。あえて袖裏を付けない仕上げで、Tシャツの上にさらりと羽織れる軽やかな着心地を特徴とする。好きな仕事に打ち込む父親を見て育った子息たちもまた、父の後を継ぐ意志だという。レラリオ一族の今後の活躍が、益々楽しみである。

text by Minako Shimada edit by Shigekazu Ohno

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変える「30歳未満30人の日本人」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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