壮大なアイデアを会社で実現させる方法

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今の企業にはしばらく在籍しているため、会社の仕組みや手順にも慣れ、大きな改善の余地がある領域が嫌でも見えてくるようになった。問題点は既に洗い出し済みで、現行のやり方を改善して数十万円単位のコスト削減につなげるアイデアもある。

そんなあなたにはもう分かっていることかもしれないが、ほとんどの企業では、変革を進めるのには一定の時間がかかる。それが老舗企業であればなおさらだ。とはいえ、自分のアイデアに命を吹き込むことは可能だ。アイデアの内容を何度も説明し、全員を巻き込んで実行に移すべく準備をすればよいのだ。

私は先日、全米売り上げ1位のコーヒーショットを販売するフォルト(FORTO)の創業者で最高経営責任者(CEO)のニール・プレムクマルに話を聞いた。起業家として、企業の効率を高めるためのシステムやプロセス構築において豊富な経験を持つニールは、ビジネスオーナーからイントラプレナー(社内起業家)まで、誰もが自分の貴重なアイデアを実現するために取れるステップを紹介してくれた。

発表前にテストをする

人々を巻き込む前に、自分のアイデアを試してみて、実際に機能するかどうか吟味すること。他人を参画させるためには、「コストを大幅に削減する」、「売り上げアップに貢献する」、「内部プロセスの効率を上げる」など、意図した目標を達成できることを示す必要があるだろう。自分のコンセプトを可能な限り検証しよう。

疑問を感じた場合は、その分野に詳しい信頼できる人に相談すること。打ち合わせを設定し、相手の知恵を借りよう。「起業家としてビジネスを立ち上げる前にリサーチするのと同じだ」とニールは言う。「自分のアイデアや製品は、市場へ出す前に検証する必要がある。この場合の“市場”は自分の会社だ」

自分のアイデアを公表する前に、しっかりとした土台と確固とした根拠を築くべき。そこで初めて、アイデア実現に取り組み始められるのだ。

恐れない

アイデアを検証し、専門家とも相談した上で、実行可能だという結論に至った場合でも、アイデアを世に出すのが怖くなることもあるだろう。壮大なアイデアであれば何であれ、懐疑的な人は出てくるだろう。そのような人たちにアイデア実現を邪魔させてはいけない。自分のソリューションに自信を持ち、根拠をしっかり示せるようにしておこう。練習として、さまざまな批判を想定し、それぞれに対する回答を準備しておくといい。

昔から言われていることだが、「自分の夢に恐れを感じないのならば、それは大した夢ではない」のだ。新たな境地を切り開こうとする時は、誰しも恐怖を感じるものだ。しかしそこで凍り付いてはならない。自分のアイデアと、それを伝える自分の力を信じること。そして最も重要なのは、理想とした目標へ向かって進み続けること。適切なマインドセットを得られたら、自信を持って自分のアイデアを世に出すことができる。
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編集=遠藤宗生

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