首都の魅力
アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、米主要紙の一つであるワシントン・ポストのオーナーでもある。また、首都で最も広大な面積を占める大邸宅を所有している。アマゾンの労働慣行や反トラスト法違反の疑いなどが問題視されるなか、連邦議会の議員たちと近い距離にいるということも、同社にとっては有利に働くかもしれない。
そのほか、タレントパイプラインの構築を目指すアマゾンがグーグルと同様に、HBCUを活用しようと考える可能性もある。米国でコンピュータサイエンスを専攻する学生の約18%は、アフリカ系またはラテン系だ。グーグルはHBCUの一校であるハワード大学と提携したプログラムを開講。5年間で750人の学生を受講させる計画であり、対象をHBCUの全大学の学生に拡大する方針だ。
IT関連ニュースサイト、リコード(Recode)は先ごろ、最終候補に残った各都市を比較する記事を掲載した。それによると、ワシントン首都圏のオフィス賃料は1平方フィート(0.09平方メートル)当たり平均62ドル(約6980円)、テクノロジー関連の労働者の平均賃金は11万1111ドル、国際空港から商業地区までの所要時間は34分だ。
アマゾンはHQ2を建設する都市に関してこれまでに、シアトルに匹敵する都市を探していると説明している。また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは関係筋の話として、同社はテクノロジー分野の優秀な人材を確保しやすく、公共交通の利便性が高く、さらに税制上の優遇措置が魅力的な都市を選ぶだろうと伝えている。
HQ2を設置する都市の決定は、年内に下される見通しだ。