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──そうした社会に向けて今の私たちにできること、注意すべきことは何でしょうか。


今までは全員がそこそこの収入を得られる社会でしたが、これからは価値をつけられるものをもっているか、そうでないかという能力の差によって、信じられないくらいの格差が生まれていくと思っています。今からできるのは、現在の立場や状況を利用して、自分の価値を高めておくこと。

大きな会社に勤める人であれば、会社の看板があるうちに、その力を利用して自分の価値を高められるかどうか、会社側は優秀な人がいるうちに、自社の看板を強化できるかが勝負の分かれ目になるでしょう。

いよいよ消費の主体はバーチャル空間に

──今後15年でこうした社会に変わるとしたら、その先にはどんな未来が待っているでしょうか。

ここまでの話は、デジタルの世界でつくる通貨を現実世界で使う場合の「買う」ですが、その次は、いよいよ現実世界を超えて、バーチャル空間の中だけでの「買う」を最優先した価値観が出てくると思います。すなわち、虚構が生活の中心になっていく。SF映画の世界のようで現実味がないと思うかもしれませんね。しかし、それは未来の人間からすれば、私たちが古い存在だからです。現実世界よりも接している時間が長ければ、バーチャル空間が中心になっていくのは当然のことです。

──しかし、現実世界を重視する層も残るのではないでしょうか。

残るとは思います。ただ、バーチャル空間の経済の方が大きくなると、好むと好まざるとに関わらず、そちらが中心にならざるを得ません。

例えば、外見。私自身はネットに接続している時間の方が長くて、服装を気にする必要がないので、今でもほとんどこだわりがありません。だから同じTシャツを何十枚ももっていて、毎日同じジーパンを履いて過ごしている。一方、芸能の人たちは、現実世界での見た目が商売に大きく関わっているので、服装に非常にこだわります。両者の大きな違いは、リアルを重視しているか、ネットを重視しているかです。

では、私のようにバーチャル空間を重視して生活する人が増えるとどうでしょう。彼らの商売に影響力をもつのは、現実世界ではなく、バーチャル空間での見栄えではないでしょうか。技術の進化に伴いバーチャル空間によりリアリティを感じるようになって、そちらの方が「もしかしたら現実なんじゃないか」と思う人が増えて、過半数を超えたぐらいには、ガラッと変わってしまう。

──2050年にはここまでいくでしょうか。

はい。確実にいくと思います。さらにその先、50年後まで考えてみると、コンピュータの仕組みそのものが大きく変わっているはずなので、また違うパラダイムが出てくるでしょうね。いまの私たちでは、まったく想像すらできないようなものが。


さとう・かつあき◎1986年、福島県生まれ。メタップス代表取締役社長。早稲田大学在学中の2007年に起業。著書に『お金2.0  新しい経済のルールと生き方』(NewsPicks Book)。

構成=眞鍋武 写真=小田駿一

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