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2018.10.26 12:30

廉価版テスラ「3万5000ドル」モデル納車までの遠い道のり

テスラ モデル3(Photo by Salwan Georges/The Washington Post via Getty Images)

テスラのイーロン・マスクCEOは10月18日、「モデル3」の新グレードの受注を開始したとツイートした。新グレードは従来よりも低価格のミッドレンジバージョンで、価格は4万5000ドル(約507万円)からと、四輪駆動モデルのベース価格である5万4000ドルに比べて大幅に安くなっている。

しかし、マスクのツイートは説明が不十分だ。まず、デリバリーとドキュメンテーションの手数料が別途1200ドル掛かる。また、2017年にモデル3がリリースされたときのベース価格はもっと安かった。さらに、3万5000ドル版の納車時期は、依然として不透明だ。

今回受注を開始した新グレードは、シングルモーターでバッテリーも小型化されており、1回の充電での航続距離は260マイル(約420km)となっている。価格が高いデュアルモーターのロングレンジバージョンは、1回の充電での航続が310マイル(約500km)だ。ハイパフォーマンスモデルの価格は、6万4000ドルからとなっている。

4万5000ドルのモデルはカラーが黒のみで、追加オプションはない。もし赤でホイールサイズが大きく、オートパイロットを搭載したバージョンが欲しければ、手数料込みで5万5200ドルに跳ね上がる。

マスクによると、カリフォルニア州在住の場合、連邦政府のタックスクレジット(税額控除)7500ドルと州のリベート2500ドルが適用されるため、1万ドル安い3万5000ドル(約394万円)で購入できるという。ただし、テスラは連邦政府のタックスクレジットをほぼ使い切っているため、このメリットを享受できるのは、年末までに納車される買い手に限られる。また、最大の値引きが得られるのはカリフォルニア州在住者だけだ。

当初、マスクはモデル3の生産体制について楽観的な見方を示していたが、実際には数ヶ月も遅延するなど大きなトラブルの原因となっていた。その後、テスラは週5000台の生産目標をクリアし、利益を確保できる水準に達したものの、2018年中旬に設定した週6000台の生産目標は第3四半期末時点で未達成となっている。

2017年7月に少量ながらモデル3の生産が開始されたとき、1回の充電での航続距離が310マイルのシングルモーター/ロングレンジバージョンのベース価格は4万4000ドルだった。ただ、このモデルはオプションがほぼ必須で、実質的な価格は4万9000ドル(デリバリーフィー込みで5万200ドル)だった。カラーは黒のみで、他のカラーやオートパイロットを搭載すると5000ドルが追加で必要だった。
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編集=上田裕資

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