既にニューヨークやロサンゼルス、アムステルダムやニューデリーなど、世界各地でこのサービスが利用可能になっている。検索対象にはビル内の冷水機だけでなく、水のリフィル(詰め替え)サービスを提供するカフェなども含まれる。
サービスの開始にあたりTapは、世界3万4000店舗以上のカフェやレストランと提携した。ウマミバーガーやシェイクシャックなどの有名バーガーチェーンも、Tapのリフィルネットワークに参加している。
アプリの利用者は、無濾過の水や、炭酸入りの水、フレーバーつきの水など、細かな条件を設定して検索を行うことが可能だ。このアプリとマイボトルがあれば、外出先でプラスチック製ボトル入りのミネラルウォーターを買う必要がなくなる。
「環境に配慮し、サステナブルな社会を実現するうえで、Tapは非常に意義のあるアプリだ」とRosenは述べた。彼は以前にオンデマンドのストレージ企業「MakeSpace」を設立しており、俳優のアシュトン・カッチャーやバスケットボール選手のカーメロ・アンソニーらから、6000万ドルの資金調達を行っていた。
RosenによるとTapは「営利活動を通じてサステナビリティを実現する企業」だという。プロダクトプレイスメントや、アフィリエイトマーケティングなどの、広告活動から収益をあげるビジネスモデルをとっている。
「Tapを通じて社会的ムーブメントを起こしていく。マイボトルを持ち歩くことが、新たなファッションのトレンドになる」
NPOの「Ellen MacArthur Foundation」のデータによると、世界では毎秒100万本のプラスチックボトルが消費されているが、適切なリサイクル処理がなされるのは10%以下だという。プラスチックの海への流出がこのまま続けば、2050年までに海中のプラスチックの重量は、全ての魚の体重を上回るという。
また、1回きりの利用で捨てられるプラスチックボトルの価値は、年間で800億ドル(約9兆円)から1200億ドルに及ぶとのデータもある。
Tapのリフィルネットワークに参加するウマミバーガーは次のように述べている。「この試みに参加することで、非常に多くの前向きな反応が消費者から得られた。無料で飲み水を提供することは、最高の広告効果につながる」