元アップル社員が設立の「自動運転の視覚」Aevaが4500万ドル調達

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ベロダインを上回る性能を実現

RezkとSalehianは具体的な企業名を明かさなかったが、これはLiDARやビジョン技術のスタートアップでは珍しいことではない。自動運転車メーカーは、信頼できる性能を備えて大量生産が可能なセンサーを求め、プロトタイプを数多く試している。SalehianとRezkによると、Aevaのシステムは企業の要求を全て満たしており、2〜3年後に複数の企業に提供するための交渉を行っている最中だという。

自動車用LiDAR最大手のベロダイン(Velodyne)の製品は、レーザー光を全方位に照射して3Dマップを生成する。これに対し、Aevaのシステムはレーザーを1方向に固定して照射する。また、LiDARはレーザーが物体に反射して帰ってくるまでの時間からマップを生成するが、Aevaは符号化した信号を使ってレーザーが物体に当たった際に生じるわずかな周波数の変化を捉えるのだという。

Rezk とSalehianによると、この方法はより早く、より少ないエネルギーでマップを作ることができるという。

「我々のシステムでは、シングルフレーム画像から路面にある全ての物体を認識し、それらがどの方向に移動しているか把握することができる。他のシステムでは、マルチフレーム画像や複数のアルゴリズムを使わなければならない」とRezkは話す。

Aevaの創業者たちは、競合のLiDARメーカーとの差別化に自信を持っている。Aevaは価格設定や生産計画、パートナー企業など詳細を明かしていないが、同社が約束する機能が実現できれば多くの需要が見込めるだろう。

編集=上田裕資

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