掲載されるストーリーは連続殺人犯やUMA(未確認生物)、呪われたテーマパークなどをテーマとし、1人称を用いることで実体験を語っているような不気味さを醸し出している。クリーピーパスタという名前のルーツは「コピー&ペースト」にあるとされ、ここに掲載された物語がネット拡散することを示している。
設立は2008年で、当初は著者不明の短い物語ばかりだった。しかし、現在はサイトの訪問者が署名入りで投稿した記事がメインとなっている。2018年6月にサイト運営に加わったクリストファー・マキシムは、「自分も何年も前から記事を執筆してきた。この仕事をずっと続けたい」と語る。
ユーザー投稿型のサイトで、毎月50万人が訪れ100万PVを達成しているのはかなりの成功といえるだろう。クリーピーパスタにはディスカッションフォーラムや過去のコンテンツのインデックス、公式ユーチューブチャンネルもあり、モバイルアプリも存在している。
同サイトの収入源は広告とホラー映画のスポンサー収入だ。「広告枠を提供するほか、新作ホラー映画の宣伝も行っている」とマキシムは説明する。最近では映画「アンフレンデッド」とタイアップして執筆コンテストを行い、7人のファイナリストの中から選ばれた1人がDVDに出演した。
「自分を含め多くの執筆者たちがこのサイトで人気を得て、出版にこぎつけている。出版社のCreepypasta Publishingも立ち上げて、新人のホラー作家をバックアップしている。年内から新年にかけて数冊を出版する予定だ」とマキシムは話した。
クリーピーパスタでは毎日1話が公開される。誰でも応募はできるが、質が高くなければ公開作品には選ばれない。マキシムは作品をふるいにかけ、低クオリティなものをはじく作業をしているが、苦ではないという。
「ホラーのことを考え続けられるし、新しい作品や面白いアイデアに出会える。読めば読むほど、書くのもうまくなるものだ。ここ数カ月で一生分以上の読書をしている」と彼は話した。
「10月にはハロウィンがテーマの作品が増えた」とマキシムが言うとおり、季節やトレンドに沿ったストーリーを提供することで、クリーピーパスタは読者を魅了し続けている。