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ドクター本荘の「垣根を超える力」


研究を事業につなげるために

今回のミートアップのプロデューサーのひとり、バイオベンチャー「ヘリオス」の鍵本忠尚CEOは、日本はノーベル賞受賞者が出るほど立派な研究がたくさんあるが、ベンチャー振興では米中の後塵を拝すると指摘。また、「ジョンソン&ジョンソン・イノベーション」アジア・パシフィック代表のDan Wang氏は、研究開発予算など様々な指標で世界のトップクラスの日本が、産学連携は23位と劣っている点に注目します。

では、状況を打開するには何が必要なのでしょうか。 

RNA創薬のNASDAQ上場企業「Arcturus Therapeutics」のCEO、Joseph Payne氏は、大手製薬会社などのサポートや連携が肝要なバイオ・ヘルスケアの分野では、特に起業家自身の資質も問われ、いかに「好かれるか」が成功のカギを握ると言います。

そのうえでPayne氏は、好かれる起業家の3条件として、「謙虚さ(humility)」「とっつきやすさ(approachability)」「ポジティブさ(positivity)」をあげます。


Arcturus TherapeuticsのJoseph Payne CEO

この日、日本では研究や研究者について、「マインドがオープンでなく、他者とのつながりに消極的で、往々にして研究のための研究で終わり、事業化に繋がりにくい」という意見もありましたが、それはつまり、とっつきやすさが不足しているということ。前出の香本氏も、研究者と大手企業を繋ぎ、かつグローバルに活躍できる人材が日本には欠けていると話します。

また、Li氏によればコミュニケーションも重要で、米国では謙虚さが足りず傲慢さがよく問題になりますが、「日本の研究者は奥ゆかしい、プレゼンが下手でもったいない」という声が聞かれました。

しかし、これまでの日本の環境では当然のことかもしれません。逆に言えば、日本はやり方次第で、伸びしろは大きい。2年前から医療系ベンチャー振興に注目し、今回のサミットを主催するなど、厚労省も旗を振り、バラバラだったエコシステム参加者をつなぐ仕掛けも始めました。

グローバル企業も日本の研究を探索しています。これまでベンチャーには逆風だったこの国でも、風向きが変わるなか、研究者と起業家、そして大企業はこの宝の山を活かせるのか、ますます注目されることでしょう。

連載 : ドクター本荘の「垣根を超える力」
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文=本荘修二

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