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RK-studio / Shutterstock.com

黎明期にあるeスポーツ業界は今、西部開拓時代の様相を呈している。eスポーツ企業各社は、最上級リーグでの競争力向上とツイッチやユーチューブでの視聴者獲得を狙いチームとプレーヤーの売買を繰り返し、選手の訓練施設を次々と建設。最もビッグかつ最強のブランドは誰かをめぐる“決闘”を繰り広げている。

調査会社ニューズー(Newzoo)によれば、2018年の世界eスポーツファン人口は前年から15%増え、1億6500万人に達する見通しだ。eスポーツによる収益は今年38%増えて9億600万ドルとなり、2021年までには16億5000万ドルに膨れ上がるとみられている。

eスポーツ事業の大半は北米(38%)と中国(18%)で行われ、最大の収入源はスポンサー(今年の収益見通しは3億5900万ドル)で、2位以降は広告(同1億7400万ドル)、メディア権(同1億6100万ドル)、ゲーム出版料(同1億1600万ドル)が続く。

こうした収入源のうち最も急増しているのがメディア権で、収益は2021年までに3億2000万ドルに達し、スポンサーに次ぐ2位の収入源となる見込みだ。ゲームソフト会社のアクティビジョン・ブリザードは今年7月、「オーバーウォッチ」リーグの放送権をめぐる複数年契約をウォルト・ディズニーと結んだ。ディズニーはこれにより、傘下のESPNやディズニーXD、ABCといった放送局で同リーグの試合を放送できるようになる。

eスポーツ企業では通常、業務予算の半分がプレーヤーの人件費に消える。そうした企業はチームとブランドの育成に投資を続けており、収支は(利払い・税引き・償却前利益でみた場合)ほとんどの会社でマイナスとなっている。結果として、eスポーツ企業各社は多額の資金調達に励み続けている。

フォーブスは、企業のオーナーや銀行関係者、業界に詳しい専門家らへの取材を基に、現在最も価値のあるeスポーツ企業12社をまとめたランキングを作成した。対象としたのはゲーム競技に参加している企業のみで、ゲーム販売会社や競技場建設業者は除外した。以下は、ランキングに入った12社とその評価額だ。

1位 Cloud9 - 3億1000万ドル
2位 Team SoloMid - 2億5000万ドル
3位 Team Liquid - 2億ドル
4位 Echo Fox - 1億5000万ドル
5位 OpTic Gaming - 1億3000万ドル
6位 Fnatic - 1億2000万ドル
7位 Gen.G Esports - 1億1000万ドル
8位 G2 Esports - 1億500万ドル
9位 Immortals - 1億ドル
10位 Envy Gaming - 9500万ドル
11位 100 Thieves - 9000万ドル
12位 Counter Logic Gaming - 5000万ドル

首位は評価額3億1000万ドル(約350億円)のCloud9。ジャックとポーリー・エティアン夫妻が5年前に創業した同社は現在、92人のプレーヤーと11のチームを抱えており、幅広いゲームで成功を収めている。今月には5000万ドルのシリーズB資金調達を実施。この資金を元手に、総面積1900~2800平方メートルの訓練施設と運営本部施設をロサンゼルスに建設し、来年にオープンさせる予定だ。

Cloud9は競技面でも王者に君臨している。同社の北米チームは今年の「リーグ・オブ・レジェンド」世界大会で、eスポーツ史上最多となる6年連続の出場を果たした。7月には同社のチーム「ロンドン・スピットファイア」が、オーバーウォッチリーグの初代チャンピオンに輝いた。また1月には同社の「カウンターストライク:グローバルオフェンシブ」チームが、北米チームでは初となる主要トーナメント制覇を果たした。

評価額2億5000万ドルで2位に入ったTeam SoloMid(TSM)は、キャッシュフローが黒字であることが分かっている唯一の企業だ。同社のチームは、リーグ・オブ・レジェンド北米大会で史上最多となる6回の優勝を果たしている。同社の創業者で元プレーヤーのアンディ・ディンは、eスポーツ界でのTSMの存在を、アメリカンフットボールの名門ダラス・カウボーイズと同じレベルまで高める意気込みだ。

そのための施策として賭けているのが、「フォートナイト」大会への進出だ。ディンは今年、19歳のスタープレーヤー「Myth」ことアリ・カバニをチームに迎え入れ、4人編成チームが生活・訓練・ストリーム配信をする約400平方メートルの施設建設に1500万ドルを投じた。

TSMの努力は既に報われつつある。カバニはツイッチのフォロワー数が4100万人に増加し、世界2位に浮上。これに目をつけたレストランチェーンのチポトレは、TSMと100万ドル以上ともみられるスポンサー契約を結んだ。

text by Mike Ozanian, Christina Settimi and Matt Perez 編集・翻訳=遠藤宗生

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