カリフォルニア州公衆衛生局の研究チームは、 米食品医薬品局(FDA)が2007~16年に「有害な成分の含有が否定できないサプリメント」のデータベースに登録した776の製品について調査を実施。その結果、実際にこれらの製品には無許可で医薬品の成分が使用されていたことを確認した。また、そうした医薬品成分の97.6%は、サプリメントの容器のラベルに記載されていなかった。
危険度が最も高いのは「精力剤」
調査したサプリメントの半数近くは、「精力剤」としての効果をうたったものだった。その数は 353に上り、うち166種類には勃起不全(ED)治療薬「バイアグラ」の有効成分、「シルデナフィル」が使われていた。
さらに、これらのうち72種類には、同じくED治療薬である「シアリス」の有効成分「タダラフィル」、5種類には「レビトラ」の有効成分「バルデナフィル」が含まれていた。一部は「天然の成分を使用した製品」として市販されていた。
また、 353種類のうち14の製品には、FDAがヒトへの使用を認可していない抗うつ剤、「ダポキセチン」が使われていた。そのほか2種類には、いわゆる「痩せ薬」として使われていたものの、心疾患疾病のリスクが指摘され、米国では2010年に販売が禁止された「シブトラミン」が含まれていた。
「減量」と「筋肉増強」用にも要注意
精力剤の次に医薬品が“混入”したサプリメントが多かったのは、「減量」を目的としたものだ(317種類)。このうち84.9%には「シブトラミン」が、23.7%にはFDAが1999年に米国での販売を禁止した「フェノールフタレイン」(下剤として使用されていたが、発がん性の疑いが指摘されている)が含まれていた。
また、5.4%には抗うつ薬の「フルオキセチン」が、3.8%には「シルデナフィル」またはそれに類似した成分が使われていた。