大麻はついに宇宙へ 新薬開発に向けISSで栽培実験計画

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NASAはこれまでも、宇宙空間での植物栽培に取り組んできた。2014年には植物栽培モジュールのベジタブル・プロダクション・システム(通称「ベジー」)が打ち上げられ、乗組員の食事用においしく栄養豊富で安全な野菜を生産するとともに、リラクセーションやレクリエーションの支援ツールとしての機能も果たしている。

またスペース・タンゴは、ISSにおける新たな生物学実験の波に合わせ、キューブラボ(CubeLabs)と呼ばれるモジュールを製造。同モジュールは完全自動化された研究室システムで、地球の軌道を回りながら複数の実験装置を自力で運用できる。モジュールの研究施設は地球を通して双方向で管理でき、画像とデータは宇宙ステーションからほぼリアルタイムでダウンロードできる。

スペース・タンゴには既に、宇宙で農業実験を行なった実績がある。2017年、ビール世界最大手アンハイザー・ブッシュと協働し、重力の負荷のない宇宙環境下で大麦の種子をテストした。この実験では、種の被ばくと発芽に関する重要な発見が幾つか得られた。

スペース・タンゴは今回、ケンタッキー州を拠点とする農業テック企業アタロ・ホールディングス(Atalo Holdings)と協力し、同社から認証大麻種子と専門知識の提供を受ける予定。2019年2月始動予定の同プロジェクトには、大麻由来の治療用CBD製品をネットで販売するアナビー・マーケット(Anavii Market)社も参加する。

「従来のような重力による負荷がない環境で植物がどう反応するかを理解することで、植物が適応する仕組みや、研究者がどのようにこの変化を活用できるかについて新たな見識が得られる。そうすれば、新たな特徴・特性、生物医学的利用法や効能などの発見につながる」とチャッペル。

スペース・タンゴの研究は、医療用大麻の進化と、自由市場での大麻取引に向けたさらなるステップとなるかもしれない。

編集=遠藤宗生

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