子どもと学ぶ「モノの価値ってなんだろう?」

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付加価値という考え方

もう一つ、事例を紹介したい。あるテーマパークに行った時、そのパークの人気キャラクターがプリントされたコップがあった。実はその前日、スーパーにコップを買いに行っており、そのコップとテーマパークにあるコップ非常に似ているものだった。唯一の違いは、キャラクターがプリントされているかどうかだけである。

しかし、価格はというと、キャラクターが印刷されているコップの方が何割も高かった。実は、テーマパークでは同じような違和感をお菓子にも覚えていた。スーパーでも買えるようなクッキーでも、スーパーよりも高い。

これについて子どもは「付加価値」という言葉は知らなくとも、概念は理解していた。キャラクターが印刷されることで、何もないコップよりカッコイイ/カワイイものとなり、より欲しくなるからである。

付加価値を学ぶためには、おうちごはんと外食もいい題材になる。例えば、カレーを家で食べるとき、子どもも一緒に材料を買いに行き、その際に材料代を覚えておく。そして、お店でカレーを食べ、その代金と比べてみる。外食の方が高いのは、料理や片づけをしてもらえる代金が、材料代に上乗せされているからと説明ができる。

価格の違いと変化に敏感になろう

このように、価格は需要と供給のバランスによって決定され、付加価値を乗せることで上げることができる。「モノの価値」として価格を例にとったが、価格の違いと変化に敏感になることは重要なことだ。

価格の変化に気づけるということは、それぞれのモノの価格をある程度把握できているということで、それはそのまま、色々なことに興味を持ち、それぞれに数字を紐づけられる能力となるのだ。

連載:0歳からの「お金の話」
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文=森永康平

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