ビジネス

2018.10.30

無駄を徹底排除し、キャッシュフローは8倍に── 寺田倉庫がおこなった「ビジネスの再解釈」

寺田倉庫 代表取締役CEOの中野善壽


こうした「再解釈」はなぜ成功したのか。理由のひとつは、徹底的に無駄を排したからだ。8年間、彼らはただ闇雲に事業を拡張したわけではない。むしろ必要ない事業を次々と売却している。

既存ビジネスの再解釈を行い、オンリーワンのビジネスを創出したことによってキャッシュフローは8倍に拡大し、社員1人あたりの売り上げは1億円を超えているという。

こうした大改革の背景にあるのは、「会社は常に変わらなければならない」という中野の思想だ。会社の新陳代謝を促すために次々と入れ替わっていくべきだと彼は考えている。

もっとわがままであれ!

中野の大胆な改革は、見方によっては個人のエゴに映るかもしれない。しかし、奇しくも本イベントでは、似たような発言がたびたび登場した。



スマイルズ代表取締役社長の遠山正道は、福沢諭吉の「独立自尊」という言葉を引き、「人のことをとやかく言わないで、自分の庭を良くすればいい」と発言。



また、ベストセラー「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか」の著者・山口周は「もっと多くの人が、わがままになるべきです。周りに忖度しない生き方を選ばなければ、イノベーションは起きません」と語った。

テクノロジードリブンではない、新しい価値を生み出すビジネスの「再解釈」。その根源にあるのは、ともするとわがままにも見える「個の強い意志」なのかもしれない。

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WORK MILL with Forbes JAPAN ISSUE 03
発売日:2018年10月2日
価格:980円(908円+税)
判型:B5変形 無線綴じ
ページ数:96ページ
発行元:アトミックスメディア(発行人:藤原 昭広)
発売元:プレジデント社
編集企画:オカムラ(編集長:山田雄介)
販売方法:全国書店・インターネット
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文=野口直希 写真=柴崎まどか

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