経済・社会

2018.10.19 18:00

セレブがヌードで「魚の保護」訴える、Fishlove運動が世界に拡散中

Fishloveキャンペーンのドイツとデンマークの俳優の写真パネル(photo courtesy of Our Fish)

Fishloveキャンペーンのドイツとデンマークの俳優の写真パネル(photo courtesy of Our Fish)

有名スターたちがヌードになり、死んだ魚を抱いた巨大なポスターがベルリンの中心部に展示されている。これは魚たちを絶滅から救うことを目的とした世界的キャンペーン「Fishlove」の一貫で、SNS上では#EndOverfishing(魚の乱獲をやめろ)とのハッシュタグとともに画像が拡散している。

ベルリンの移動式ギャラリーでは、ルクセンブルクの女優のヴィッキー・クリープスや、ドイツのニーナ・ホス、トム・ヴラシアらがヌードになり、非営利組織「Our Fish」が主催する運動を支援している。このキャンペーンは他のEU諸国や米国でも行われている。

ショーン・ペンや「ダウントン・アビー」の名演で知られるエリザベス・マクガヴァン、英ヘンリー王子の元恋人のクレシダ・ボナス、マイケル・ジャクソンの娘のパリス・ジャクソンらも、一糸まとわぬ姿でサバやアカマンボウ、サメなどと一緒に写真に収まっている。

このキャンペーンのテーマは、EU諸国に2020年までに魚の乱獲中止を呼びかけることだ。この運動は2009年から続いており、過去にはジュディ・デンチや、ヘレナ・ボナム=カーター、フィオナ・ショウ、ゾーイ・ワナメイカー、エマ・トンプソン、ジリアン・アンダーソンらも裸になり、魚の保護を訴えていた。

キャンペーンの運営には英国ブライトンの有名レストラン、MOSHIMOも関わっており、撮影は有名フォトグラファーのAlan Gelati やOlaf Bleckerらが担当している。

IUCN(国際自然保護連合)によると、欧州の海に生息する90種類以上の魚類が絶滅の危機に瀕しているという。なかでもサメやエイなどの軟骨魚綱(なんこつぎょこう)に分類される魚類のリスクは高く、40%以上が絶滅する可能性があるという。

先日はルクセンブルグで、農業と漁業に関する会議「AGRIFISH」が開催されたが、Our Fishのチームはそこでの決議に対し、強く反発している。「EUの漁業担当大臣らは、バルト海の漁獲量制限に関し、またしても緩すぎる目標を設定した」と彼らは述べている。

バルト海ではタラやニシン、サーモンなどの乱獲が続いているとOur Fishは指摘している。

「我々の運動に賛同してくれたセレブリティたちや、科学者、一般の人々のサポートにも関わらず、バルト海では魚の乱獲が続いている。彼らは短期的な利益のみを追い求め、魚たちを絶滅の危機に追いこんでいる」とOur Fishは主張している。

編集=上田裕資

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