国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


もともとアウトランダーPHEVは、できるだけ電気モーター走行を優先させるEV寄りのクルマだけど、加速する時はエンジン始動のタイミングと回転上昇を制御することで、スムーズさと静粛性をさらに向上させた。とにかくEVモードでできる限り走行するためバッテリー容量が上がっているので、欧州の高速道の最高速度制限130km/hまでエンジン作動せず、楽にグイグイと走る。

今回の改良のポイントは、新基準であるWLTPへの対応だ。国際基準の新燃費表示「WLTPモード」で、燃費は49.9km/L、CO2排出量は46g/km。実は欧州でWLTP基準に対応できているSUVは、アウトランダーPHEVしかない。

運転を楽しむSPORTモード

僕の一押しは、最上級グレードのSエディション。もともと専用のビルシュタイン製ダンパーを装着され、ボディロールをできる限り抑えながら、しっかりとした足まわりが嬉しいところ。でも、今回の改良でボディ剛性がアップし、足まわりを見直したおかげで、Sエディション以外のどの仕様でも、ステアリングは適度な重さで乗り心地は快適、しかもコーナーでフラットな姿勢を保つ。

みなさんも覚えているとは思うけど、三菱は全世界で大人気だったランサー・エボリューションという優秀な4駆ターボ車の製造社。ランエボが生産中止になっても、やはり三菱のエンジニアの遊び心は変わらない。



ランエボで長い間培った車両運動制御システムS-AWCがこのクルマにも使用されている。従来の「NORMAL」「LOCK」両モードに加えて新たに「SPORT」モードと「SNOW」モードが追加されており、SPORTを選ぶと、スロットルのレスポンスが鋭すぎるほどシャープで、同車の走りを一段と楽しめるし、1.9tという重量を感じさせない。

室内は外観よりも手直しが加えられている。もともとガソリン仕様アウトランダーは2005年にデビューしているので、当然インパネのデザインは古く感じる。それが今回のインパネの化粧直しとシートの新しいデザインのおかげで、室内に高級感が増した。というか、初めて現れた。



これからは、ピュアなEV車がどんどん増えるとは思うけど、欧州市場に反映されているように、多くのユーザーは燃費が優れていて、電気だけで後続距離が長く、充電時間が速く、しかも走りやすいというエンジン付き電気自動車、つまりPHEVの需要が増えると思う。デザインが少し古くても、アウトランダーPHEVはそう証明した。

連載:国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」
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文=ピーター・ライオン

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