10代のアフリカ系アメリカ人たちは、ソーシャルメディアのトレンドに敏感な層として知られている。この試みが成功を収め、インスタグラムに対する有効な反撃手段となるかに、投資家たちは注目している。
AP通信NORCセンターのデータによると、黒人ティーンエージャーの10人に9人が、スナップチャットを利用中だ。新たなコンテンツは彼らを意識したもので、6秒間のスキップ不可能な広告が挿入される。スナップは同社の既存のオリジナルコンテンツの視聴数が今年、3倍に伸びたとアナウンスしている。
オリジナルコンテンツ分野では競争が激化しており、ニュースサイト「CultureBanx」の記事によると、アップルは既に17のオリジナルドラマの製作を外部に委託し、そこにはNBAの黒人バスケットボール選手、ケビン・デュラントの半生を描いた作品が含まれている。
スナップが製作するコンテンツは毎日更新の番組で、モバイル視聴に適した5分程度の長さとなっている。10代の黒人たちは、彼らの親の世代以上にモバイルの利用時間が長く、スナップチャットやインスタグラムの主要ユーザー層だ。
スナップチャットは新規ユーザーの取り込みに苦戦しており、スナップの株価は年初から52%の下落となっている。今年の第2四半期決算で、同社はデイリーアクティブユーザー(DAU)が1億8800万人に減少したと報告し、第1四半期の1億9100万人から300万人の下落となった。
一方で、インスタグラムは同社のストーリー機能を4億人以上が利用中であると述べており、これはスナップチャットのDAUの2倍以上の数字だ。
スナップは動画広告に注力しているものの、市場のわずかなシェアしか得られていない。eMarketerのデータでは、フェイスブックは傘下のインスタグラムとともに今年、米国の動画広告市場の24.5%を握り、68億1000万ドル(約7650億円)の売上をあげると見込まれいる。一方で、スナップチャットの米国での動画広告収入は今年19%増加し、3億9730万ドルに達するとされている。
アナリストからは、スナップの売上成長率は目標を大きく下回っており、来年は15億ドル以上の損失を計上するとの見方もあがる。同社は資金切れに近づいており、新たな出資の獲得も必要だとされている。
Evercore ISIのアナリストのDiClementeはスナップが第3四半期に、さらに100万人のDAUを失うと予測し、スナップの株価目標を9ドルから7ドルに引き下げた。