名門ウォートン・スクールに過去最高56億円の寄付、卒業生から

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ペンシルベニア大学ウォートン・スクールに、ある卒業生が5000万ドル(約56億2000万円)を寄付した。1件の寄付としては、137年に及ぶ同校の歴史で最大額となる。

誰が、何のために寄付をしたのだろうか。

寄付したのは誰?

ウォートン校に5000万ドルを寄付したのは、卒業生である富豪ビジネスマン、マーク・J・ローワンと、妻のキャロリン・ローワンだ。夫J・ローワンは、プライベート・エクイティ投資会社アポロ・グローバル・マネジメントの共同創業者であり、シニア・マネージング・ディレクターを務めている。

ウォートン校で、学士号ならびにMBAを取得。現在は、同校の監督委員会の委員長、理事、寄付キャンペーン「More Than Ever」の共同委員長でもある。

ローワンは、「最先端のビジネス教育にコミットし、われわれを力づけてくれるウォートン校の教授陣は、私が成功する契機となった」と述べた。

「キャロリンと私は、ウォートンコミュニティーの一員となって、同校の優秀な学生たちが現代有数の思想家たちと直接出会える機会を支えられることを光栄に思っている。ウォートンの一流研究者たちは、それぞれの分野を発展に導き、かたちづくりながら、学生たちがビジネス界のみならず、より広い世界で違いを生み出せるよう意欲を育み、彼らの人生を変えている」

寄付金の使い道は?

寄付金は、ウォートン校が教授陣を採用・維持するのを支援するほか、同校の経済政策分析プログラム「ウォートンスクール予算モデル(Penn Wharton Budget Model)」の支援に使われる。このプログラムは、ビッグデータ分析を利用して、アメリカが直面する主要な経済的諸問題に関する政策を、客観的根拠に基づいて立案できるよう支援するものだ。

ウォートン校は今回の寄付を使って、それぞれの分野を牽引する世界的リーダー3名を「ローワン・ディスティングイッシュト・プロフェッサー(Rowan Distinguished Professors)」として招聘する。寄付はまた、同校の著名な教授を「ローワン・フェローズ(Rowan Fellows)」として選出し、彼らの革新的な研究ならびに指導への取り組みを5年にわたって支援するためにも使われる。

ペンシルベニア大学のエイミー・ガットマン学長は、「ローワン夫妻に対して深い感謝の意を表したい。ペンシルベニア大学に対する両氏の慈善事業は多大な効果をもたらすだろう」と述べた。「両氏の寄付によって、当大学の知的資源は強化され、学生は人生を一変させるようなメンターと出会い、社会の発展に向けて知識が結集されるだろう」

今回の寄付を受け、「More Than Ever」キャンペーンは目標寄付額を10億ドルに引き上げた。

このニュースは、多くの大学が直近の会計年度で受け取った寄付額を公表するなかで明らかになった。以下に、主要大学の寄付額を紹介する。

大学名 | 運用資金総額
ハーバード大学 |392億ドル(約4兆4059億円)
イエール大学 |294億ドル(約3兆3044億円)
MIT(マサチューセッツ工科大学) |164億ドル(約1兆8432億円)
ペンシルベニア大学 |138億ドル(約1兆5510億円)
ノートルダム大学 | 131億ドル(約1兆4723億円)

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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