経済・社会

2018.10.20 07:30

米中間選挙は与党が敗北 過去の結果が示唆

トランプ大統領(Photo by Jeff Swensen / Getty Images)

トランプ大統領(Photo by Jeff Swensen / Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は11月6日に投票が行われる中間選挙について、与党・共和党は「勝利する」との楽観的な見通しを示した。野党・民主党の支持者の多くが、今回は共和党の候補に投票するというのだ。大統領はまた、民主党の支持基盤は大幅に左傾化しており、米国をベネズエラのようにしてしまうだろうと述べている。

だが、トランプの楽観主義の一方で、米国の歴史は今回の投票結果が共和党に不利なものになることを示唆している。フランクリン・ルーズベルト大統領の時代以降、中間選挙の結果は全て、現職の大統領が所属する政党が敗北する結果となった。

1946年以降の中間選挙では、与党は下院で平均25議席を失っている。また、米調査会社ギャラップの世論調査によると、中間選挙まで2カ月の時点でのトランプの支持率は40%だが、同じ時期の支持率が50%を下回った歴代の大統領は、下院の議席を平均37減らしている。支持率が50%を超えていた大統領が失ったのは、平均14議席だ。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校が運営するウェブサイト「アメリカン・プレジデンシー・プロジェクト」によれば、中間選挙で与党の下院の議席数を増やした大統領は、ビル・クリントン(1998年)とジョージ・W・ブッシュ(2002年)の2人だけとなっている。

与党が中間選挙で負ける理由は幾つもある。興味深いのは、それらが必ずしも大統領の仕事ぶりや法案に関する決断とは関連していないということだ。大きな影響を及ぼすのは、有権者の関心の低さとみられている。つまり、大統領選で勝利した政党の支持者はそれで満足し、中間選挙では投票しない傾向がある。

過去の選挙結果が示すのは、大統領は1期目の就任後の早い時期に、重要な法案を可決させておく必要があるということだ。中間選挙後には政治情勢が一変し、大型法案を可決させることが困難、または実質的に不可能になる。

米国の歴代政権の中間選挙後の議席数は、以下のように変化している(左から、実施された年、当時の大統領、下院/上院の議席数の変化)

1962年: ジョン・F・ケネディ(民主党) -4/ +3
1966年: リンドン・ジョンソン(民主党) -47/ -4
1970年: リチャード・ニクソン(共和党) -12/ +2
1974年: ジェラルド・フォード(共和党) -48/ -5
1978年: ジミー・カーター(民主党) -15/ -3
1982年: ロナルド・レーガン(共和党) -26/ +1
1986年: ロナルド・レーガン(共和党) -5/ -8
1990年: ジョージ・ブッシュ(共和党) -8/ -1
1994年: ビル・クリントン(民主党) -52/ -8
1998年: ビル・クリントン(民主党) +5/ 0
2002年: ジョージ・W・ブッシュ(共和党) +8/ +2
2006年: ジョージ・W・ブッシュ(共和党) -30/ -6
2010年: バラク・オバマ(民主党) -63/ -6
2014年: バラク・オバマ(民主党) -13/ -9
2018年: ドナルド・トランプ(共和党)

編集=木内涼子

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