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ウォルマートは今年8月、米国事業の直近の四半期の増収率(既存店ベース前年比)が10年以上ぶりに過去最高を更新したことを明らかにした(米国事業は同社の事業全体の6割以上を占める)。売上高の伸びに大きな役割を果たしたものの一つが、予想を上回る40%の増収を記録したオンライン販売部門だ。

ウォルマートは米国内の店舗がおよそ4800を数え、人口の90%が同社店舗から約16km以内に居住しているという強みを生かし、食料品部門でもオンライン販売事業を強化してきた。ネット注文した商品を受け取る「ピックアップ・タワー」を設置する店舗を増やしたり、宅配サービスを拡充したりしている。

同社はこうした競争上の強みを、繰り返し強調している。コストがかかる「ラストワンマイル」のデリバリーは、短時間での配送を求める消費者を満足させたい小売業者が自社の差別化を図る上で重要だからだ。ダグ・マクミロンCEOによれば、「オムニチャネル化への取り組みは、既存店売上高の伸びに貢献している」。

さらに、ウォルマートはニューヨークなどミレニアル世代の富裕層が多く住む都市部での市場シェアの拡大を目指しており、顧客獲得のためにJet.comを活用したい考えだ。だが、そのためのリニューアルを前に、同サイトのトラフィックは今年8月、2016年の8月と比べて56%減少した。

ウォルマートがオンライン販売での急成長を遂げるなかで、アマゾンの圧倒的な優勢が脅かされる気配は全くない。調査会社ユーロモニターによれば、2012年には2.9%だった米国のe-コマース市場でのウォルマートのシェアは、昨年には4.3%となった。一方、アマゾンのシェアは同じ期間に、24%から46%に拡大している──ウォルマートの企業買収の意欲が失われることは、当分はなさそうだ。

編集=木内涼子

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