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2018.10.20 10:00

スポーツxブロックチェーン時代に突入 投げ銭コミュニティが始動

10月20日から試行段階のサービス「エンゲート ベータ」がスタートした。


「スポーツ業界でやってはいけないことをやりたい」
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ローンチ発表会には、ローンチパートナーとなったJリーグやBリーグ、プロ野球独立リーグ、フットサル、ハンドボールチームから代表5人が出席。エンゲートに参加した理由として、チーム運営の切実な思いと大きな期待を語った。


城戸幸一郎代表(中央)とアンバサダーの上野直彦氏(右)とともにローンチ発表会に参加したスポーツチームの代表

JリーグYBCルヴァンカップで初の決勝進出を決めたJ1湘南ベルマーレの水谷尚人社長は、エンゲートへの参加理由として「収入源」と「コミュニケーション・発信力強化」の2つを挙げた。「1990年代にチーム名はベルマーレ平塚だったが、親会社が撤退し、地域に支えられて生き延びたクラブ。常に収入源は確保したい」と語った。
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「多くの方に知られていないんですけど」と前置きして、「我々はビーチバレー、トライアスロン、ロードレース、フットサールなどいろいろなチームを持っています。彼ら、彼女らはさらに資金で苦しんでいるので、エンゲートのサービスを使って解決していきたい」と話した。

「私たちは親会社がなく、地域に支えられています」。エンゲートのサービス開始日に試合を控える「横浜ビー・コルセアーズ」の岡本尚博CEOは、開口一番こう言った。

「バスケットボールは統一リーグになって2年。サッカーや野球に比べて、選手がマスメディアで取り上げられることが少なく、どうしても一般の人との距離感があり、認知度がまだまだ低い」。チーム名にあるコルセアーズは海賊の意味。「未開の海を切り開く。ファンとのコミュニティを構築し、マネタイズの面でも新たな可能性を切り開くチャンス」として期待感を高める。ファンへのリワードについても、「ファンがオープン戦でベンチに入って采配を振るうなど、従来のスポーツ業界でやってはいけないことをやりたい」と語る。

プロ野球の四国アイランドリーグplus の「徳島インディゴソックス」の南啓介社長は、「徳島県内の人口は東京・練馬区の人口と同じ約73万人。県外や世界からもっともっと応援してもらいたい」と話した。

「育成メインのリーグで、5年連続ドラフト会議に推薦している。挫折をしたり、道を間違えたり、いろいろな人生を歩む選手も多い。どうやって成長したかを一緒に見届けてほしい」と語り、「選手には社会性を求めており、一人一人がファンを作っていくための教育をしていきたい」と話した。

エンゲートのアンバサダーには、スポーツジャーナリストの上野直彦氏が就任。ブロックチェーンを活用した分散型ソーシャルメディアプラットフォーム「ALIS」や政治分野のプラットフォーム「PoliPoli」に次ぐ3社目の就任で、自らもデジタルヘルスケアのプラットフォームの構築を手がけている。

そんな上野氏は2018年を「スポーツ×ブロックチェーンの分水嶺」という。「数年前からスポーツとトークンエコノミーの親和性は高いと主張してきたので、新しいコミュニティの仕組みが日本でも広がってほしい」と語る。

ギフティングコミュニティのサービスは、チームにとって従来のスポンサー企業からの広告料やチケット、グッズの収益以外の新たな収益になり得るか。スポーツファンに「ブロックチェーン上に絆を刻む」文化が受け入れられるかどうか。プロスポーツ観戦の概念をも変えるかもしれないギフティングサービスの試金石となるだろう。

文・写真=督あかり

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