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1位の米国は国際競争力指数で2008年から10年ぶりに1位となった。高い評価を得たのは、ビジネス・ダイナミズム、労働市場、財政制度の柱項目や、イノベーションのエコシステムに関する項目だ。

一方で、評価が低かったのは社会構造に関する項目だ。殺人事件の発生件数が先進国平均の5倍になるなど、安全保障の項目は過去最低。抑制と均衡、司法の独立性、汚職などの指標も低調だった。日本と比べ6歳も低い67.7歳という健康寿命や、ICTの活用に関する項目も他の先進国と比べて低かった。

総合5位だった日本は、ICTの活用は3位で高い位置を保持。インフラ、製品市場、市場規模などの項目でも平均を大きく上回った。スコアが比較的低かったのは、労働市場と制度。項目別でランキングが一番低かったのは、マクロ経済の安定性の41位だが、スコアは94と先端に近かった。



今回のレポートでは、「先端」に近い国々でも分野によって改善の余地があると指摘している。一部の項目で高いスコアを取っていても、他の分野で他国の先端から遅れをとっているケースが見られるからだ。

また、全体的にスコアが低く、「最も懸念される」と指摘されたのが「ノベーション能力」の分野だ。アイディアを生み出して商品化するまでのイノベーションのプロセスで、ドイツや米国、スイスが高評価を得ているものの、103カ国が50以下と相対的に低い傾向にあった。日本はスコア79で6位という評価だったが、100までには21の差がある。

WEFの創設者で会長のクラウス・シュワブは「第4次産業革命の活用は、競争力を決定する要素だ。このレポートによってWEFは世界の新しいパフォーマンス評価の方法を提案した。世界は『革新的な変化を理解する国』と『理解しない国』に分断されるだろう。第4次産業革命の重要性を理解する国だけが機会を拡大することができるだろう」と話している。

文=成相通子

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