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Rawpixel.com / Shutterstock.com

イスラエルのサイバーセキュリティ関連のスタートアップ企業「Sygnia」は10月16日、シンガポールの政府系投資会社「テマセク」からの買収提案を受け入れたとアナウンスした。買収金額は非公開だが、関係筋によると2億5000万ドル(約280億円)相当に及ぶという。

今回の買収は投資家からの、セキュリティ領域への関心の高まりを示している。この分野の人材は非常に高価値であり、イスラエルはセキュリティ分野の覇権を握っている。

また、イスラエルのこの分野の企業への投資は、巨大なリターンが期待できる。2017年にイスラエルのセキュリティ企業が調達した資金の総額は8億4700万ドルで、前年比23%増だった。また、IPOを含まないエグジットの総額は、2017年に13億ドル(約1460億円)に達しており、エグジット時点の平均企業価値は1億3000万ドルだった。

これらの企業は1社あたり平均1700万ドル以上を調達しており、外部企業に買収されるまでの平均的期間は、創業から5.5年となっていた。

Sygniaはステルスモードで2015年に創業され、約1年前に存在が明るみに出た。セキュリティ分野では特定の領域にフォーカスする企業が多いなかで、同社は総合的なコンサルティング業務を手がけ、洗練度の高いサイバー攻撃への対処を強みとしている。

同社は企業の間の口コミのみで知名度を獲得し、「セキュリティ分野の特殊工作部隊」との異名をとった。顧客には「フォーチュン100」に選出された大手も多数含まれている。

テマセクの傘下でSygniaはグローバルのリーチを加速させていくが、独立した事業体として運営され、創業者でCEOのShachar Levyと、会長のNadav Zafrirらが引き続き会社の指揮をとる。共同創業者のAriel SmolerとAmi Korらも現在のポジションにとどまる。

会長のZafrirはセキュリティ分野のインキュベーター「Team8」のCEOも兼任しており、Sygniaにシード出資を行ったのも彼だった。筆者の昨年のインタビューに対し、Zafrirは「現在のサイバー空間は戦争状態にある。やられたら、やり返すという状況が続いている」と述べていた。

テマセクはSygniaの技術力に絶大な信頼を置いており、今回の買収により同社の企業価値はさらに高まると考えている。セキュリティ企業は今後の世界経済の発展や、国家の安全保障において、重大な役割を担うことになる同社は述べている。

編集=上田裕資

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