神戸市の久元喜造市長は、10月23日、記者会見で採択した22社を発表した。選ばれたスタートアップは29日から6週間、缶詰め状態で自らのビジネスを磨き上げ、12月10日に東京・お茶の水で開催される成果発表会(デモデイ)の場で、投資家たちにお披露目する。
500 KOBE ACCELERATORは、500 Startupsが送り込む世界のトップメンター約20人から指導を受けるられる、国内では他に類を見ないプログラムだ。さらに自治体主催ではあるが、神戸市以外あるいは海外からでも参加できる。
神戸市の狙いは明確だ。将来のイノベーションのエコシステムづくりを見据え、優れた起業家たちにとって、神戸が「世界に挑戦できる街」となるような地位を獲得することである。
海外からの応募数が国内を逆転
今年は、エントリー状況に大きな変化があった。昨年72社であった海外からの参加希望が134社と倍増。逆に国内からの参加は昨年の144社から103社に減った。日本国内で開催されるにもかかわらず、海外からのエントリーが多いという不可思議な「逆転現象」が生じたのだ。
採択された企業のCEOたちは、プログラム期間の6週間、神戸に滞在しなければならない。訪日には査証(ビザ)が必要なケースもある。どう考えても、海外から参加するハードルは高い。
500 KOBE ACCELERATOR プログラム会場
それに、参加企業募集にあたっても、特別海外への露出を増やしたわけではない。マーケティングは、これまでと同様、フェイスブックとツイッターの広告が中心であり、国内でのPRも同様である。ではなぜ、これほど応募が増えたのか。
今年のプログラムの責任者として、書類と面接での選考を担当した500 Startupsのアーロン・ブルメンソールに、海外と日本からの応募してきたスタートアップの違いを訊いてみると、「国や地域ごとの実情によって解決すべき課題の違いがあるだけで、テクノロジーやビジネスプランの優劣は感じない」と話す。とりあえず、プログラムへの参加をめざす挑戦的な海外企業と、国内企業の潜在能力の差はなさそうだ。