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2018.10.22 07:30

健康経営の要? 「腰」が変われば生産性も変わる

Kuznetcov_Konstantin / Shutterstock.com

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DeNAで健康経営に取り組んで3年が経ちました。そのなかで力を入れてきた取り組みのひとつが、腰痛撲滅プロジェクトです。

IT企業ではパソコンに向き合う作業が多く、座る時間が長くなることで運動不足になりやすいからでしょうか、社員に調査をしたところ、約7割が腰痛や肩こりにより生産性の低下を感じていることがわかりました。

私自身、腰痛知らずのためその深刻さがわかりませんでしたが、痛みを抱えている人たちにヒアリングをしてみると、会議中に座れない人やタクシー通勤の人、さらには立ち上がることができず会社を休む人もいました。

調べれば調べるほど驚きのエピソードが出てきたのですが、そのような人たちと接し、動き方を見ているうちに、わかってきたことがあります。それは「歩き方」の共通点です。

姿勢よく早歩きする

腰痛持ちの社員20人ほどに集まってもらった社内セミナーでのこと。全員、同時に歩いてもらった後ろ姿を見て、その推察は確信に変わりました。

そこにいた人たちは、皆、腰をひとつの塊のようにしか動かしておらず、膝の動きを主体にしていたのです(お尻と股関節の動きが小さい)。腰痛が少ない人には多少なりともお尻の動きを確認できましたが、腰痛の人にはほとんどそれが確認できませんでした。

そもそも、腰には真ん中に仙骨があり、両脇の寛骨に股関節がつながっています(イラスト参照)。そのため、腰の動きが小さい人は、結果的に股関節も可動しづらくなっているようです。見ていてだいぶ窮屈そうですし、歩幅が稼げないので、移動スピードも上げづらく、気持ちよく歩けない感じです。



では、なぜ、このような動きになるのでしょうか? 腰が痛いことで腰の動きを制限してしまうのか、そもそも腰の動きを制限した歩き方をしていたことで腰痛になりやすくなったのか……この因果関係については、まだリサーチ中です。

ただ、先日、幼稚園の運動会で見回してみると、6歳以下で腰の動きが固まっている子は1人もいませんでした。そのため、生まれつき腰の動きが固まっているのではなく、成長の過程でなんらかの原因により動きが固くなっていくのではないかと考えられます。

だとすれば、早いうちに人体の構造や重力に対して理にかなった動作を行えば、カラダへの負担を軽減ができ、さらに快適に動けるようになるのではないでしょうか。

もし、「腰の動きが悪いかも」と自覚がある場合は、無理に腰を動かそうとするのではなく、まずは歩くときに股関節の前に手を当てて、そこから脚を動かすように意識してみるとよいでしょう。その意識のまま、早歩きをするとより効果的です。

以前社内で行った腰痛プロジェクトでも、姿勢よく早歩きすることを習慣化したところ、参加者のほとんどの人から、体の痛みが緩和したというアンケート結果を得られました。
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文=平井孝幸

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