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フリーライター/エディター


将来の日本人は、外国のために肉をつくり、自分たちは東南アジアのコオロギをたべる!?

流郷:環境問題に続いて、近年はイエバエ技術が新たなジャンルでも価値をもつことがわかってきました。タンパク質危機、あるいは魚粉危機です。これから世界では中流層以上の急激な人口増加に伴って、動物性タンパク質の供給が足りなくなるといわれています。

中流層以上になると、穀物や植物を中心とした食事から、肉や魚を中心とした食事になるからです。

植物性たんぱく質は品種改良などで間に合わせることはできますが、動物性タンパク質はそうはいきません。食用の肉や魚はもちろんですが、それらを育てるための飼料の生産が間に合わない。

特に、いま飼料の中心を占めているのは魚粉です。海産物の乱獲やそれに伴う規制も増えている現状では、質の高い魚粉を安定的に確保するのは、決して簡単ではありません。

近年、魚粉の価格はかなり高騰していますが、イエバエはそれに代わる飼料として期待されているんです。

──タンパク質危機といわれても、あまり実感がわきませんね。

流郷:いま日本は人口が減少し、食料が余っているからでしょうね。ですが、将来はどうなるかわかりません。

日本の食料自給率はカロリーベースだと40%未満。食糧生産の多くを外国に頼っている一方で、これから世界の人口は益々増えます。

このまま日本全体が貧しくなっていけば、将来的には自国民が自国で生産した食肉を買うことができなくなるかもしれません。

輸出のために肉を生産して、日本人は東南アジアから輸入したコオロギなどの昆虫食で動物性タンパク質を補う可能性もあるんです。

──私たちの子ども世代は、お肉が食べられなくなるかもしれない……。

流郷:はい。タンパク質危機に備えて、すでに動き始めている企業はたくさんあります。例えばムスカの競合企業でミズアブの食料化を目指すカナダの「エンテラ」は、すでにマクドナルドと提携しています。

しかし、世界中の競合と比べても食料残渣と畜糞の両方を処理できるのはムスカだけです。

今年度末には、畜糞を1日に100トン処理できるプラントの着工に入ります。イエバエで日本の食の未来を守れるよう、さらに事業を加速させるつもりです。

文=野口直希

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