テイラー・スウィフト、政治回避から一転 若者に投票を呼びかけ

テイラー・スウィフト(Photo by Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic)

テイラー・スウィフトは先日、インスタグラムのフォロワー1億1200万人に向けた投稿で、それまで避けていた政治の話題に初めて触れ、ネットの世界を静止させた。これまで政治を語ることに「消極的」だった気持ちが変化したきっかけは、自分自身の経験や、過去2年間の世界の状況だったという。

「私はこれまでも、そしてこれからも常に、この国で誰もが持つに値すると私が考えている人権を守り、そのために闘ってくれる候補者に投票する。私はLGBTQ(性的少数者)の権利のための闘いを信じているし、性的指向や性に基づいた差別はどのような形でも間違っている。米国にいまだに存在する有色人種への組織的な差別は、恐ろしく、不快で、広くまん延している。私は、肌の色や性別の人、あるいは誰を好きになるかにかかわらず、全ての米国人の尊厳のために闘う意思がない人には投票できない」

スウィフトはさらに、テネシー州選出上院議員のマーシャ・ブラックバーンに対する懸念を表明。女性への平等な賃金や、「女性に対する暴力防止法」の再承認、LGBTQの婚姻や権利に反対してきた同議員の投票歴を見て恐怖を感じたとつづり、「これらは私のテネシー市民としての価値観ではない」と断じた上で、上院選ではフィル・ブレデセンに、下院選ではジム・クーパーに投票すると宣言した。

スウィフトは最後に、前回の大統領選以降に18歳になったファンらに対し、選挙人登録を行い、候補者について調べて、全ての点について賛成できる候補者がいなかったとしても、いずれかの候補に投票するように促した。

この投稿は、テネシー州での選挙人登録締め切りに合わせたものだった。だが、スウィフト自身が受けた性的暴行とそれに関する訴訟を無視することは難しい。投稿の前日には、連邦最高裁判所の判事にブレット・カバノーを任命する人事が議会により承認されたが、カバノーには性的暴行疑惑が浮上していた上、この人事を行ったトランプ大統領も13人の女性から性的不品行を告発されていた。

投稿では大統領とカバノーのどちらにも言及していないが、スウィフトがこれまでのキャリアのあらゆる面で思慮深く意図的に行動してきたことを考えれば、この投稿のタイミング自体が一つのメッセージとなる。

米ニュースサイトのバズフィードは、非営利団体ボート・ドット・オーグ(Vote.org)から情報として、スウィフトの投稿が掲載されてから24時間で6万5000人が選挙人登録を行ったと報じている。さらに48間後には、新規登録者数は24万人以上となった。

9月の月間登録者数が19万178人、8月は5万6669人だったことを考えれば、この数字の大きさが理解できるだろう。テイラー・スウィフトが選挙人登録を急増させたことは事実なのだ。

スウィフトは9日に開催されたアメリカン・ミュージック・アワード(AMA)で、年間最優秀アーティスト賞を受賞。その際のスピーチでは、締めくくりの言葉として、「この賞、そして今夜与えられた全ての賞は、人々が投票して決めたもの。他に人が投票して決めるものといえば、11月6日に行われる中間選挙。投票してね。皆、愛してる!」と呼び掛けた。

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事