ウォルマートが大麻製品に関する予備実態調査を行ったことを認めたのは非常に賢い動きであり、タイミングもうまく計算されたものだった。主要7カ国(G7)加盟国で初となるカナダの大麻合法化を翌週に控え、消費者の反応を慎重に判断するのにこれ以上良い時期はなかっただろう。
また先月末には、米麻薬取締局がカンナビジオールを主成分とした抗けいれん薬エピディオレックス(Epidiolex)について、規制薬物としての分類を「スケジュールI」から制約がはるかに少ない「スケジュールV」へと変更している。
もちろん大麻市場への参入の是非は、利益と政治の綱引きとなる。調査会社ジェネシス・マーケット・インサイツ(Genesis Market Insights)の最近のデータによると、2017年には171億8000万ドル(約1兆9000億円)だった世界の大麻市場規模は、18年から23年かけて589億ドル(約6兆6000億円)まで伸びると予想されている。
今後、ある時点でリスクと報酬の比率は逆転し、ウォルマート(やその他のフォーチュン500企業)は周囲の企業が利益を上げているのをただ黙って見ていられなくなることだろう。