テクノロジー

2018.10.15 16:30

米国ではAIが迷惑電話を撃退? グーグルPixel 3の驚異的機能

Photo by Drew Angerer/Getty Images

Photo by Drew Angerer/Getty Images

グーグルは10月11日、新型スマートフォン「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」を発表した。事前に多くのリーク情報が流れたが、発表イベントでは新たなサプライズもあった。

今回の発表で見えてきたの、グーグルの狙いがハードを売ることよりも、サービスやソフトウェア、AIサービスを提供することにあるということだ。ここではPixel 3シリーズを買うべき理由を5つ挙げよう。

期間限定の無制限ストレージ

Pixel 3は、カメラ評価サイト「DxOMark」でアップルを上回るスコアを得ている。Pixel 3の購入者はその高性能カメラで撮影した画像を、2022年まで無料かつ無制限で「グーグルフォト」に保存することができる。

他にも、AIによる画像の自動タグ付け機能のほか、共有アルバムや自動編集、重複画像の自動削除などの新機能が加わった。

完璧に近づいたカメラ性能

Pixel 3シリーズの前面には、多くの友人と自撮りができるよう、デュアルレンズの広角カメラが搭載されている。Pixelは昨年、カメラ性能で最高評価を得ているが、新モデルではさらに機能が向上している。インテルと共同開発したビジュアル・コアもアップグレードされ、「トップショット」や「ナイトショット」などの新機能が追加された。トップショットは、シャッターを押すと複数の写真を撮影し、最高の1枚を選択してくれる。

一方、ナイトショットは夜間でも明るく撮影することができる。また、ズーム時の画質を落とさない「Super Rez Zoom」も搭載されている。

迷惑電話をAIが撃退

Pixel 3シリーズには、音声アシスタントがレストランの予約を行う「Google Duplex」の技術を用い、かかってきた電話をスクリーニングする「call screen」が搭載されている。この機能では、AIがユーザーの代わりに電話に対応し、会話がリアルタイムでテキスト表示される。これにより、ユーザーは電話に出ることなく迷惑電話か否かを判断することができる。

これは音声検索エンジンにとどまらない、本当の意味でのパーソナルアシスタントであり、ハードウェアを通じて革新的なサービスを提供するグーグルらしい機能だと言える。call screenとDuplexは、まずは米国のみでPixel 3向けに提供が開始される予定だ。

「メイド・バイ・グーグル」の利点

アップル製品が使いやすい理由の一つは、ハードウェアとソフトウェアが統合的に作られていることだ。従来のAndroid端末は異なるメーカーのモデルにソフトウェアを組み込んでいたが、メイド・バイ・グーグルではこうした課題を是正している。

最も顕著な改善点は、OSやセキュリティのアップデートが直ちに実行されることだ。他メーカーの端末の場合、最新OSにアップデートされるまで数ヶ月を要するが、Pixelシリーズの場合は、最新OSが公開され次第、アップデートが可能になる。

高価だが、競合製品よりは割安

Pixel 3シリーズは昨年から値上がりしているが、アップルやサムスンがリリースした最新モデルに比べると100ドル安い。Pixel 3XLの価格は899ドルだが、iPhone XS Maxは999ドル、サムスンのGalaxy Note9も999ドルだ。

Pixel 3の発表前日には、失敗に終わったSNS「Google +」に関する個人情報流出が明らかになった。しかし、グーグルは世間からの批判を恐れて数ヶ月に渡ってその事実を隠蔽していたとされる。グーグルのAIを利用するためには、膨大な量のデータを提供することが求められる。

Pixel 3シリーズはここまで述べたように非常に完成度の高い端末だ。しかし、データ流出を隠蔽した企業に、本当に自分の個人情報を渡していいのか、購入前に検討した方が良いだろう。

編集=上田裕資

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